22年最低賃金引き上げ 経営側は強く反発「労働界が責任負うべき」=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国の最低賃金委員会が2022年度(1~12月)の最低賃金について前年度比5.1%増となる時給9160ウォン(約885円)への引き上げを決めたことに対し、経営者側は13日、「労働界と公益委員が責任を負わなければならない」として強い遺憾の意を表明した。
韓国経営者総協会はこの日配布した文書で「公益委員が提示した来年度最低賃金は中小・零細企業、小規模事業者の支給能力を明らかに超えている」とし、「ここから派生する全ての問題に対する責任は経済の現実に背を向けて利己的闘争を繰り返した労働界と公益委員が負わなければならない」と批判した。
同協会はまた「使用者委員は限界・零細企業の生存と社会的弱者の雇用安定、より多くの雇用創出を訴え、妥結のために最善を尽くした」としながら、「崖っぷちに立たされた人々の現実に背を向けた公益委員の引き上げ案に対し、衝撃と無力感を禁じ得なかった」と強調した。
使用者委員側は12日に開かれた会議で、最低賃金の引き上げ案が採決にかけられたことに反発して退場した。
全国経済人連合会(全経連)も最低賃金の引き上げに遺憾の意を示し、小規模事業者・自営業者のみならず企業関係者を限界の状況に追いやり、就職難を悪化させる懸念があると指摘。業種や職種に応じた賃金の傾斜配分や最低賃金の決定要素に企業の支給能力を含めることなど、最低賃金制度の改善も求めた。
最低賃金引き上げで最も打撃を受ける中小企業の立場を代弁する中小企業中央会も、「強い遺憾とともに怒りを禁じ得ない」と表明した。
同中央会は「中小企業の現場は新型コロナのパンデミック(世界的流行)の中で経営難克服と雇用維持のために最善を尽くしたが、長期間続く経営危機で基礎体力が底をついた」とし、最低賃金引き上げによる現場の衝撃は避けられないと強調。賃金を支給する余力がない零細中小企業と小規模事業者は過度な人件費負担で廃業に至り、社会的弱者の雇用減少につながると訴えた。
さらに「労働界と公益委員は中小企業界の切迫した訴えにもかかわらず最低賃金引き上げを強行したため、今後もたらされる副作用に対する責任を負わなければならない」と批判した。
コンビニ店主などが加盟する小商工人連合会も、今回の引き上げは小規模事業者から始まった韓国経済危機をさらに悪化させるものだとしながら、「小規模事業者は最低賃金の安定による事業活性化を期待したが、むしろ引き上げられたことで維持していた雇用も縮小せざるを得ない立場に追いやられた」と反発した。
また、小規模事業者が借金を重ねて延命するしかない状況で、今回の最低賃金引き上げは各種費用の上昇、雇用減少、廃業増加など景気の悪循環をもたらすと警告した。
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