北朝鮮 コロナ・制裁・水害の三重苦は「戦争に劣らない試練」
記事一覧
2021.08.09 15:20
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は9日、新型コロナウイルスの感染拡大、国際社会による対北朝鮮制裁の長期化、豪雨による水害という「三重苦」に直面している現状について、「戦争に次ぐ状況」と説明し深刻さを強調した。
同紙は9日付の社説で、「史上初の世界的な保健危機と長期的な封鎖、災害性の異常気象による困難と障害は戦争状況に劣らない試練の局面を迎えている」と主張した。
また「全てのものが不足し、難しい今」「かつて体験してことのない難関」といった表現を用いて北朝鮮がこれまでにない厳しい状況に置かれていることを強調した。
これに先立ち、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は先月開かれた第7回全国老兵大会で、新型コロナや国際社会による対北朝鮮制裁によって生じた困難な状況について、「戦争状況に劣らない試練」と述べたが、今回はこれに自然災害が加わった。
北朝鮮では今月初めに咸鏡南道で水害が発生し、約1170世帯が浸水。住民約5000人が避難した。昨年も咸鏡南道では台風被害があり、黄海北道や江原道でも水害が発生するなど、自然災害が続いている。
ただ北朝鮮はこのような状況にもかかわらず、他国に依存しない「自力更生」を強調している。
韓米両国が北朝鮮への人道支援について協議し、国連や欧州連合(EU)も水害の復旧支援を行う意思を表明しているものの、北朝鮮が自力更生を強調しているため、具体的な支援にはつながりにくいものとみられる。
北朝鮮は昨年も水害が発生した後、外部からの支援は受けないと表明した。
yugiri@yna.co.kr