南北が約2カ月ぶり通信再開 韓国政府「関係修復の土台できた」
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が4日、韓米合同軍事演習に反発して一方的に遮断していた韓国との間の通信回線を復旧させた。
韓国統一部はこの日、午前9時に南北共同連絡事務所チャンネルを通じた定時通話が行われ、南北の通信連絡線が復旧したと明らかにした。軍関係者も、同時刻に東海・西海(黄海)地区の軍通信線で南北が正常に通話を行ったと伝えた。
韓国と北朝鮮は7月27日、約1年1カ月ぶりに南北通信連絡線を復旧させたが、北朝鮮は韓米合同軍事演習に反発し、8月10日からこれまで2カ月近く応答していなかった。
だが、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領が先の国連総会で朝鮮戦争の終戦宣言を提案したことを機に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は9月29日の最高人民会議(国会に相当)の演説で、南北間の通信連絡の10月初旬からの再開を表明。朝鮮中央通信は4日、正恩氏の意向に基づき、韓国との間の全ての通信連絡を同日午前9時から再開すると報じていた。
統一部は南北間の通信再開について、「朝鮮半島情勢の安定と南北関係の修復のための土台が設けられた」と評価。その上で、「通信連絡線の安定的な運営によって速やかに対話を再開し、南北関係の回復や朝鮮半島の平和定着に向けた実質的な議論に入り、これを進展させられるよう期待している」とした。
韓国政府は新型コロナウイルスの流行下でも南北間の対話チャンネルを安定的に維持するため、7月末に北朝鮮側に提案したテレビ会議システムの構築問題をまず北朝鮮と議論するとみられる。
だが、朝鮮中央通信はこの日、韓国に対し「通信連絡線の再稼働の意味を深く刻み、北南(南北)関係を収拾して今後の明るい前途を開く上で先決すべき重大課題を解決するため積極的に努力すべきだ」と求めた。
「重大課題」とは、このところ金正恩氏や妹の金与正(キム・ヨジョン)党副部長がたびたび強調していた敵視政策と「二重基準」の撤回を指すとみられる。北朝鮮は、自国の弾道ミサイル発射のみを挑発と見なすことは不当だとの主張を繰り返している。
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