来年の米朝関係 対話あるも非核化交渉進展は期待薄=韓国政府機関
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部傘下のシンクタンク、国立外交院の外交安保研究所は21日発刊した「2022年国際情勢展望」で、米国と北朝鮮が相互の立場を確認するために単発的な対話を行う可能性があるが非核化交渉が進展する可能性は低く、米朝双方がこれまでの立場を堅持することで両国関係は来年も事実上、平行線の状態が続くとの見通しを示した。
同研究所は「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が朝米(米朝)対話を拒否する方針を覆し、米国内の反北感情を克服するにはバイデン米大統領が直接介入しなければならないが、その可能性は低い」と予想した。
北朝鮮もまた、先行して実施した非核化措置に対する米国の補償と「新たな計算法」の提示を求めるため対立が続くとの見方を示した。
ただ、北朝鮮は食糧・防疫など人道的問題の解決のために他国との接触を拡大し、このために必要な水準で米朝対話に応じるとみられると予測した。
北朝鮮の国境封鎖緩和の可能性については「外部で(新型コロナウイルスの)世界的流行(パンデミック)が鎮静化する雰囲気が続くなか、田植えの季節を前に、関連戦略物資を中心に制限された形で貿易が再開される可能性がある」と展望した。
南北関係に関しては「(韓国の)新政権が発足すれば、南北関係の象徴である開城の(南北共同)連絡事務所の再設置の是非が次期政権に対する北の態度を確認できる試金石になる」と指摘した。
一方、研究所は「中国をけん制するための韓米協力強化に対する米国の(対韓)圧力はさらに強まる」と予想。台湾を巡る問題が大きくなるほど韓国の軍事的寄与に対する米国の圧力が強まる可能性があるとし、米国が南シナ海をけん制するために中距離ミサイルを韓国に配備しようとすれば、韓国は再び外交的苦悩に陥ることもあり得ると言及した。
また、来年7月に日本の参議院選、同3月に韓国大統領選が行われることから、上半期までに韓日政府が根本的な関係改善を推進するのは容易ではないとの見通しを示した。
ただ、岸田首相が来年の参議院選で勝利すれば内閣の支持基盤が強固になり、韓国との間で宏池会(岸田派)特有の穏健な外交が展開される可能性があるとした。
洪鉉翼(ホン・ヒョニク)国立外交院長は「(来年)2月の北京五輪、習近平主席の3期目続投、11月の米中間選挙などに絡む米中対立構図により、韓国の外交・安保戦略と対北政策の方向性は大きな影響を受けるだろう」と述べた。
「国際情勢展望」は国立外交院の各分野の研究員が個人的見解を基に作成したもので、外交部や外交院の公式な立場ではない。
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