野党大統領選候補の最前線視察 在韓国連軍司令部が休戦協定違反で調査
大統領選挙
2021.12.22 17:03
【ソウル聯合ニュース】来年3月に実施される韓国大統領選の保守系最大野党「国民の力」候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長が20日に軍服姿で北部・江原道鉄原市の最前線部隊を訪問したことを巡り、朝鮮戦争の休戦協定違反の疑いが浮上し、在韓国連軍司令部が調査に着手した。
国連軍司令部は22日に報道資料で、前線の師団が20日に南北軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)内で禁止された民間人の活動を容認した事実を認識しているとし、「違反の根本原因を把握し、休戦協定の順守を阻害する行為と民間人を過度な危険にさらす行為の再発防止に向け、調査に着手した」と発表した。尹氏の実名は挙げなかったが、民間人の活動とは20日に尹氏が鉄原市の陸軍第3師団の監視所を訪問したことを指すとみられる。
国連軍司令部によると、同司令部は必須活動を除く軍人・民間人のDMZへの出入りを規制する義務を負う。
同司令部は「不幸にも最前線の師団は法的指示に従わず、民間人に(戦闘員であることを示す)軍服を着せて必要以上の危険にさらしただけでなく、国連軍司令部の承認を得ていない追加人員をDMZに出入りさせた」と指摘した。
休戦協定の管理主体である国連軍司令部の司令官はラカメラ在韓米軍司令官(韓米連合軍司令官兼務)が務めている。
国連軍司令部が韓国大統領選の有力候補による最前線部隊視察に対し、報道資料まで出して調査方針を明らかにしたのは異例。韓国の政治家が軍服姿でDMZの最前線部隊を訪問することはたびたびあったため、国連軍司令部の「過剰対応」を指摘する声もある。尹氏の訪問を巡り、韓国軍当局が同司令部側と十分な事前協議を行っていなかったとの批判も出そうだ。
tnak51@yna.co.kr