北朝鮮で電力不足深刻 各家庭の太陽光発電を電力網に接続
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2021.12.25 06:01
【ソウル聯合ニュース】慢性的な電力不足に苦しむ北朝鮮で、家庭などの太陽光発電設備で発電された電力を国の電力系統に接続して送電する装置が開発され、利用されていることが25日、分かった。
各家庭などで発電されたわずかな電力の残りを工場や企業で使うほど、電力不足の克服に必死になっているようだ。
北朝鮮の対外宣伝サイト「朝鮮の今日」が25日までに公開した記事によると、北朝鮮では風力や潮力など自然エネルギー資源を利用するための研究が進められ、多くの成果を得ているという。
特に注目されるのは、金日成総合大学の太陽光電池製作所による装置で、この装置を使用すれば、各家庭が発電して使用し、残った電力を国の送電網に接続することで小規模な発電システムの運用ができるという。
また、コメのもみ殻を利用した発電システムを確立し、家庭や企業の電灯や、街灯などに使われていると紹介した。バイオマス発電の一種とみられる。
このほかにも、同メディアは風力や地熱、潮力を利用した発電などに触れ、北朝鮮が「自然エネルギーを開発・利用する理想の地」だと強調した。
北朝鮮が7月に国連に提出した資料によると、北朝鮮では電気を使用する人の割合が34.6%で、人口の約3分の2が電気を利用できない状況にあるという。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)も今年2月の朝鮮労働党中央委員会総会で、炭鉱や鉱山での電力が保障されておらず、生産が止まる可能性があるとし、電力不足を認めた。
yugiri@yna.co.kr