韓国大統領選の選挙運動開始 李氏・尹氏ら各候補が第一声
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領選(3月9日投開票)は15日、22日間の公式選挙運動が始まった。選挙戦は革新系与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事と保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長が接戦を繰り広げ、中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表が追う展開。尹氏と安氏の一本化も焦点となっており、3週間と短い期間ながらいつにも増して予測不可能なレースが展開されそうだ。
最有力候補の李氏と尹氏をはじめとする各候補はこの日、全国各地で遊説を開始した。
李氏は南部の釜山で第一声を上げ、「良い政策なら(保守系政治家の)洪準杓(ホン・ジュンピョ)の政策だろうが朴正熙(パク・チョンヒ元大統領)の政策だろうが、全て取り入れる」と述べ、「統合政府論」を掲げて中道層の取り込みを図った。この日は南東部・大邱と中部・大田で遊説し、ソウルでは選挙対策委員長4人と一緒にステージに立って支持を訴える。
尹氏はソウル市内の清渓広場で遊説の出発式を開き、「崩壊した国民生活を必ず立て直す。堅固な安全保障で韓国を守る」と述べて政権交代を訴えた。また、自身は検事一筋で政治経験がなく、誰に対しても負い目がないとした上で、「国民を苦しませる不当な既得権に立ち向かい、果敢に改革していける」と言葉に力を込めた。この日はソウルを皮切りに大田、大邱、釜山を巡り遊説を行う。
安氏は大邱で選挙運動をスタートさせた。保守の地盤である同地で野党の支持者を結集させ、自らが切り出した候補一本化議論の主導権を握る考えとみられる。
安氏は大邱に近い慶尚北道・亀尾にある朴正熙元大統領の生家を訪れ、「朴正熙元大統領が産業化時代に『漢江の奇跡』(と呼ばれた高度経済成長)を成し遂げたとすれば、私は第4次産業革命の時代に『第2の漢江の奇跡』を生み出す」と述べた。
一方、終盤の選挙戦で最大の変数に浮上している野党候補の一本化議論はこれといった進展がなく、停滞している。
安氏が13日に提案した世論調査による一本化に尹氏は難色を示しており、28日の投票用紙の印刷までに双方が水面下で接触を図るとの見方があるほか、両氏が直談判に臨む可能性も取り沙汰されている。
韓国社会世論研究所が11、12両日に全国の18歳以上の1005人を対象に実施した調査で、尹氏の支持率は43.5%、李氏は40.4%と、差は誤差の範囲内だった。安氏は7.8%。
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