北の弾道ミサイル発射に「厳重な遺憾」 韓国NSC
【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)は27日、徐薫(ソ・フン)国家安保室長の主宰で国家安全保障会議(NSC)常任委員会の緊急会議を開き、北朝鮮が弾道ミサイルを同日発射したことに対し「深い憂慮と厳重な遺憾」を表明した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は出席しなかった。
出席した委員らは、ロシアのウクライナ侵攻を巡って世界が事態の解決に尽力する中で北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことは世界や地域、朝鮮半島の平和と安定に決して望ましくないと強調した。
また、北朝鮮が韓米や国際社会による対話の提案に早期に応じ、外交を通じた平和的解決という方針に逆行する行動を直ちに中止するよう求めた。
ロシアのウクライナ侵攻で世界情勢が不安定化する中、韓国大統領選(3月9日投開票)まで残り10日となったこの日に北朝鮮がミサイルを発射したことを、青瓦台は重大視している。
ただ、青瓦台が発表したNSCの結果に関する報道資料では、ミサイル発射を「挑発」として糾弾する内容は盛り込まず、北朝鮮に国際社会の対話の提案に応じるよう求めた。
北朝鮮が1月30日に中距離弾道ミサイル「火星12」を発射した際には文大統領がNSCを主宰し、「国際社会の努力に対する挑戦であり、国連安全保障理事会の決議に違反する行為」と強く批判した。だが、この時も「挑発」との表現は使わなかった。
この日の会議には大統領秘書室長、外交部や国防部、統一部の長官、軍合同参謀本部議長、国家情報院の次長、国家安保室の次長らが出席した。
合同参謀本部は北朝鮮が同日午前7時52分ごろ、平壌の順安付近から朝鮮半島東の東海上に弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体1発を発射したと発表した。北朝鮮によるミサイル発射は1月30日の「火星12」発射以来28日ぶりで、今年入って8回目となる。
北朝鮮は1月だけでミサイルを7回発射したが、北京冬季五輪の期間(2月4~20日)は発射を自制していた。
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