韓国次期大統領側「軍当局は北を擁護」 ロケット砲発射巡り見解相違
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領側は22日、北朝鮮が20日に行ったロケット砲の発射について、徐旭(ソ・ウク)国防部長官が南北軍事合意違反ではないとの認識を示したことに対し、北朝鮮を擁護するものとして批判した。
北朝鮮によるロケット砲の発射が軍事境界線付近の緊張緩和を盛り込んだ2018年の南北軍事合意に違反しているか否かを巡り、現政権と次期大統領側のあつれきが深まっている。
尹氏の報道官を務める金恩慧(キム・ウンヘ)氏はこの日出したコメントで、北朝鮮のロケット砲発射について「朝鮮半島における軍事的緊張状態を緩和し信頼を構築するとする『9・19軍事合意(南北軍事合意)』の精神に明確に違反したもの」と指摘した。
また「北が何の行動もせずに突然ロケット砲を発射したのでなく、今年に入ってからすでに10回もミサイルを発射した状態でロケット砲を発射したのであり、緊張を高める意図が明白と思われる」と説明した。
そのうえで、「北のロケット砲の発射場所や着弾地点が明確でない状態で、合意違反でないと断定するのは北をかばう態度と見なさざるを得ない」と指摘した。
北朝鮮によるロケット砲発射を巡っては、尹氏がこの日午前に明確な南北軍事合意違反と指摘。一方、徐氏は国会国防委員会で、軍事合意の違反ではないとの認識を示し、合意の範囲に含まれていない海上緩衝区域の北側で発射されたと説明した。
金氏のコメントは徐氏の見解を受け、再反論する形で発表された。
ただ、尹氏が当初「合意違反」と指摘したのに対し、再反論では「合意の精神に違反」としており、表現の程度を調節したとの見方も出ている。
北朝鮮軍は20日午前、西部の平安南道から黄海上にロケット砲4発を発射した。
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