米戦略資産の常時巡回配備検討へ 政権引き継ぎ委に報告=韓国国防部
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2022.03.23 09:11
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期政権への移行を準備する政権引き継ぎ委員会は22日、国防部から業務報告を受け、韓米の拡大抑止戦略協議体(EDSCG)の実質的な活性化を通じた拡大抑止の強化など、新政権で推進する主な国政課題について検討した。
拡大抑止は同盟国が核攻撃の脅威を受ける場合、米国が「核の傘」やミサイル防衛システム、通常兵器を使って米本土と同水準の抑止力を提供することを意味する。
EDSCGは韓米の外交・国防当局が拡大抑止の実効的な運用について議論する枠組み。国防部はEDSCGを実質的に再開し、朝鮮半島の危機が高まる場合、EDSCGで米戦略資産の常時巡回配備または展開を米側と議論する方針を報告したもようだ。EDSCGを高官級(次官)・局長級協議とし、定例化を推進する内容も含まれたという。尹氏は北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応し、米国の核の傘の提供など韓米の拡大抑止の実行力強化を公約に掲げていた。
韓国は朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2016年、米側に戦略資産の常時配備と展開を求め、EDSCGでこの問題を議論した。だが、米国は韓国に別の支援部隊が必要として拒否し、実現はしなかった。
EDSCGは18年1月に2回目の高官級会議が開かれたが、その後、南北・米朝対話が進められたことを受け、暫定的に中断している。EDSCGが再開されれば約4年ぶりとなる。米国が韓国に展開できる資産としては戦略爆撃機などが挙げられている。
尹氏は米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の追加配備も公約に掲げたが、業務報告でTHAADの追加配備については議論しなかったという。
kimchiboxs@yna.co.kr