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4月の朝鮮半島情勢激動も 北朝鮮が記念日迎え軍事挑発の可能性

記事一覧 2022.04.03 10:20

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の重要な記念日が集中する4月を迎えた。大型の記念行事がいくつも予定されている中、7回目となる核実験実施の可能性も取り沙汰されている。軍事挑発の程度によっては朝鮮半島情勢が激動しそうだ。

故金正日総書記の生誕80年を迎えた2月16日、労働者や兵士、学生らが故金日成主席と金総書記の銅像に献花した=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

故金正日総書記の生誕80年を迎えた2月16日、労働者や兵士、学生らが故金日成主席と金総書記の銅像に献花した=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

 北朝鮮は主な記念日の5年、10年の節目に合わせて軍事挑発などで情勢を緊迫させ、体制の結束を図るとともに対外メッセージを発してきた。特に節目の記念日が多い今年の4月はいつにも増して朝鮮半島の緊張が高まる恐れがある。韓国軍当局は米国と共に両国の偵察資産(兵器)をフル稼働させるなど対北朝鮮防衛体制の強化に動いている。

 11日は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が2012年の党代表者会で党第1書記に推戴されてから丸10年になる日だ。金正恩氏はその2日後の12年4月13日、最高人民会議(国会に相当)で統治機構の最高位の国防委員会第1委員長に推戴され、金正恩体制の正式な発足を告げた。

 15日は故金日成(キム・イルソン)主席の生誕110年の節目に当たる。北朝鮮では故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕記念日(2月16日)と共に最も重要な記念日とされる。さらに、25日には金日成主席の朝鮮人民革命軍(抗日遊撃隊)組織から90年を迎える。

 党中央委員会は今年1月の政治局会議で、今年の金正日総書記の生誕80年と金日成主席の生誕110年を盛大に祝うことを決めていた。

 こうした中、韓米両国は今月中旬から定例の合同軍事演習を実施する計画だ。12~15日に朝鮮半島の有事を想定した演習の事前演習となる危機管理参謀訓練(CMST)を、18~28日に指揮所演習をそれぞれ行うとされる。

 韓国軍は演習期間、在韓米軍と共に北朝鮮に対する監視と備えに全力を挙げる。北朝鮮は今月の政治的行事を機に軍事面での成果を誇示し、韓米の軍事演習への反発を示すため、軍事挑発に出る可能性が高い。金正恩体制下で開発した大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、極超音速ミサイルなど各種の短距離、中距離、長距離弾道ミサイルを動員した閲兵式(軍事パレード)を開くとみられている。

 軍事パレードは25日の朝鮮人民革命軍創建90年を記念して開催する可能性が高いとされる。平壌郊外の美林飛行場に1万人以上の兵力と数百台の車両が集結し、大規模な軍事パレードを準備している状況が衛星に捉えられている。15日の金日成主席の生誕110年に合わせた大規模な群衆の行進も予想される。

 北東部・豊渓里の核実験場では、7回目の核実験を準備する兆候がみられている。18年に入り口を爆破した3番坑道で核実験を行うため、坑道内部につながる新しい通路を掘削している。早ければ今月末前後に10~20キロトン(1キロトン=TNT火薬1000トンの爆発力)規模の小型戦術核弾頭開発のための実験を強行するとの見方も出ている。

 さらに、北西部・東倉里のミサイル実験場、西海衛星発射場で現代化に向けた動きも捉えられている。北朝鮮は大型衛星の打ち上げを名分に同所の施設拡張工事を行っている。長距離ロケット(ミサイル)の組み立て施設などを拡張する見通しだ。いつでも人工衛星の打ち上げと称して長距離ミサイルを発射できるよう、環境を整える狙いとみられる。

 北朝鮮は先月24日、「火星17」と主張するICBMの発射を強行。18年に自ら宣言した核実験とICBM発射のモラトリアム(一時停止)を破った。

 これを受け、韓国の李仁栄(イ・イニョン)統一部長官は先月28日に国会で、「4月には衛星を口実にした行動を追加で起こす可能性がある」と述べ、北朝鮮がミサイル発射実験や核弾頭の小型化などのための実験に踏み切る恐れがあるとの見解を示した。

北朝鮮は3月24日、「火星17」と主張するICBMの発射を強行した。金正恩氏が命令し、現地で発射を指導した=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

北朝鮮は3月24日、「火星17」と主張するICBMの発射を強行した。金正恩氏が命令し、現地で発射を指導した=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

tnak51@yna.co.kr

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