韓国の労組全国組織 大規模集会を強行へ=ソウル市は禁止通知
【ソウル聯合ニュース】韓国労働組合の全国組織・全国民主労働組合総連盟(民主労総)が13日に次期政権への移行を準備する政権引き継ぎ委員会の事務室があるソウル市鍾路区通義洞で開く予定の大規模な集会について、ソウル市は8日、集会を禁止する方針を明らかにした。
ソウル市は民主労総に送った公文書で「隣接した場所で目的が類似した数件の集会および行進の届け出があり、大規模集会に拡大する可能性が高い状況」とし、「新型コロナウイルスの感染拡大が強く懸念される」と禁止の理由を説明した。
民主労総に加盟する団体や下部組織がソウル都心の複数の場所で集会の届け出をしている。
警察は13日の民主労総の集会に約1万人が集まるとみている。
ソウル市は今回の集会を、感染症予防法を根拠に禁止した。ソウル市は政府の防疫規則に基づき、3月からは300人以上の集会だけを禁止している。
新型コロナの感染拡大が続いていた昨年、民主労総は禁止された集会をソウル都心のあちこちで「ゲリラ」式に開いてきた。大統領選以降、民主労総の集会が禁止されたのは今回が初めて。
引き継ぎ委員会は先月の警察庁による業務報告で、「警察が民主労総の集会に対し、中途半端に対処したため、国民の不信を招いた」と指摘した。そのため、13日の民主労総の集会は、次期政権の集会への対応を見極める行事になるとみられていた。
ただ政府の防疫政策が段階的な日常生活の回復に転換されているため、今回のソウル市の判断は集会やデモだけを厳格に制限したとの批判を受けるとみられる。
民主労総が通知に反発して集会を強行した場合、警察との衝突が起きる可能性もある。引き継ぎ委員会が警察の集会への対処が不十分だったと指摘したことを受け、民主労総は「今後5年間続く次期政権の考えが表れたものとみられ、深刻な憂慮を表明する」との声明を出した。
民主労総は聯合ニュースの取材に対し、集会を開く必要があるため、(禁止されても)開催する予定とし、「場所は決まっていないが都心で開く」と説明した。
民主労総は11日に引き継ぎ委員会の事務室前で記者会見を開き、ソウル市の禁止通知に対する立場を発表し、集会・デモの権利を保障するよう訴える計画だ
一方、ソウル市は汝矣島で13日に農業や漁業に関連した団体が開く、韓国の環太平洋経済連携協定(TPP)加盟反対を訴える集会については禁止しないと発表した。警察はこの集会も約1万人が集まるとみている。
yugiri@yna.co.kr