景気の下振れリスク拡大 中国都市封鎖など響く=韓国政府系機関
【世宗聯合ニュース】韓国政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)は9日発表した「5月の経済動向」で、韓国経済について「景気は緩やかに回復しているが、国外の状況の悪化により投資と輸出の増勢が鈍化するなど景気の下振れリスクが一層拡大した」との認識を示した。国外の状況悪化の背景として、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた中国の都市封鎖(ロックダウン)や世界的な供給網(サプライチェーン)の混乱などを挙げた。
先月号でも景気の下振れリスクに言及したが、先月は主にロシアのウクライナ侵攻を状況悪化の要因に挙げていた。
KDIは今月号で「供給網の混乱が深まり、原材料価格が高止まりしていることから建設投資と設備投資が制約を受けている」と指摘した。
韓国の3月の設備投資指数は前年同月比6.0%低下した。供給網混乱の影響で輸送用機械が9.8%下落、中でも自動車は12.2%の落ち込みとなった。建設も完成工事高の前年同月比減少率が7.3%に拡大した。
また、KDIは中国の厳しい都市封鎖に関し、「中国向けを中心に(韓国の)輸出の増勢が鈍化し、自動車など一部産業の生産でも支障が出ている」と分析した。
4月の1日の平均輸出額は前年同月比15.0%増と、前月(23.4%増)を下回った。貿易収支の赤字は26億6000万ドル(約3490億円)に膨らんだ。
KDIはこのほか、米国の利上げ加速への懸念から金融市場の変動性が拡大していることも景気の下押し圧力になっていると指摘した。
その一方で、3月のサービス業の生産指数は前年同月比3.7%上昇した。KDIは新型コロナ禍のマイナス影響が縮小傾向にあると分析し、「新型コロナの規制解除に伴い、サービス業を中心に消費回復が勢いを増す可能性がある」との見方を示した。
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