北朝鮮が交渉応じるなら「資源・食料交換」へ安保理と協議 韓国政府
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の高官は17日、北朝鮮が真剣に非核化交渉に臨むなら、政府が掲げる「朝鮮半島資源・食料交換プログラム」を実行に移すため国連安全保障理事会の理事国と制裁免除を協議できるとの立場を示した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日に行った光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の演説で、北朝鮮の非核化措置に合わせて経済支援などを行う「大胆な構想」を明らかにした。政府は同じ日、安保理の制裁によって海外への輸出が禁じられている北朝鮮の鉱物資源と、韓国など国際社会が提供する食料などを交換するプログラムを提案した。北朝鮮が真剣に交渉に応じるなら、具体的な非核化措置を取る前であってもこうしたプログラムを進められると政府は説明している。
鉱物資源の禁輸は、北朝鮮が19年のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談などの場で解除を直接要求している。韓国政府はこうした北朝鮮の関心事を踏まえ、北朝鮮が拒否感を示してきた一方的な人道支援ではなく「交換」という体裁を取ることのできる方法を考案したようだ。
安保理の制裁決議により、北朝鮮は石炭、鉄、鉄鉱石、金、チタン、バナジウム鉱石、レアアース(希土類)といった鉱物資源の輸出・供給、移転が禁じられている。そのため、このプログラムを実行に移すには安保理の理事国15カ国でつくる北朝鮮制裁委員会から制裁免除を認められる必要がある。
決定の鍵を握る安保理常任理事国のうち、とりわけ米国との協議が重要になるとみられる。外交部の高官は米国との協議状況については具体的な言及を避け、「米国はすでに(尹大統領の「大胆な構想」の)目標と原則、方向性については強く支持している。細部事項の履行については今後の協議で緊密に連携を図っていく」と伝えた。
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