徴用被害者支援団体 外交部の意見書提出は「事実上の判決先送り要請」
【光州聯合ニュース】日本による植民地時代の徴用問題を巡り、韓国外交部が先月、大法院(最高裁)に提出した問題解決に向けた外交努力を説明する意見書の内容が18日、公開された。徴用被害者支援団体は意見書について、大法院が被害者への賠償を命じた日本企業の韓国内資産の売却(現金化)を巡る判決の先送りを事実上要請したものだと批判した。
徴用被害者を支援する韓国の団体「日帝強制動員市民の集まり」が公開した外交部の意見書で同部は「5月の新政権発足後、韓日両国の共同の利益に合致する合理的な解決策を早期に模索するため、各レベルでの緊密な外交協議を続けている」と主張した。日本企業の韓国内資産の現金化についても「韓国政府が強制徴用問題の合理的な解決策を早期に模索するため多角的な外交努力を傾けていることを十分考慮してもらいたい」と要請した。
同団体は意見書について「日本の態度変化に関する具体的な根拠もないまま、政府が外交努力を傾けているという一方的な期待感に基づいて作成された」と指摘。判決の保留を求めた理由として挙げた賠償問題の解決策を探る官民協議会も外交部独自の活動にすぎないとし、被害者側の代理人と支援団体は同協議会の背景に否定的な立場を表明し、参加しなかったと強調した。
また、「外交部が特定の事件に関する意見書を提出し裁判に介入している」と指摘したうえで、「被害者の権利実現が迫っているときに介入し、裁判手続きの先送りを要請したのはいかなる理由であれ容認できない」と批判した。
大法院は2018年10月と11月、新日鉄住金(現日本製鉄)と三菱重工業に対しそれぞれ被害者への賠償を命じたが、両社は賠償の履行を拒んでいる。これを受けて両社の韓国内資産を強制的に売却するための法的手続きが進められている。
このうち手続きが最も早く進んでいるとされる三菱重工業の商標権や特許権の現金化を審理中の大法院民事3部は、受理から4カ月となる今月19日までに「審理不続行」の是非を決定しなければならない。審理不続行となれば事実上、現金化が実行される。
外交部は先月下旬、この民事3部と、同種の案件を審理する民事2部に意見書を提出した。
三菱重工業も先月20日と29日に大法院に、官民協議会での協議を経て解決策が確定するまで最終的な判断を保留するよう求める趣旨の再抗告理由補充書を提出した。
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