故全斗煥元大統領の賠償責任認定 光州事件巡る名誉毀損=韓国高裁
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2022.09.14 21:39
【光州聯合ニュース】韓国軍が市民らの民主化要求行動を弾圧した1980年の5・18民主化運動(光州事件)に絡み、目撃者である故人の名誉を毀損(きそん)したとして、遺族などが全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領と全氏の長男、宰国(ジェグク)氏に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が14日あり、光州高裁は原告側の主張を一部認め、被告に賠償金の支払いを命じた。
高裁は一審と同様、関連4団体にそれぞれ1500万ウォン(約150万円)、遺族に1000万ウォンの計7000万ウォンを賠償するよう命じた。
また故人の名誉を損なう記述が含まれる全元大統領の回顧録の出版・配布の禁止を求める請求については、問題となった内容を削除しない限り、出版・配布を禁止するとした。
高裁は「歴史を否定しては正しい未来を作ることはできない」とし、全元大統領が軍事クーデターや光州事件で内乱や殺人などの罪で無期懲役を言い渡されたにもかかわらず、「回顧録を利用して法的・歴史的断罪を否認し、被害者のふりをして本当の被害者である民主化運動勢力を非難した」と指摘した。
全元大統領は昨年11月に死去した。判決が確定すれば宰国氏と相続者の李順子(イ・スンジャ)全元大統領夫人が賠償責任を負うことになる。全氏側の弁護士は上告する意向を示した。
79年の軍事クーデターを主導して実権を握った全元大統領は80年の光州事件を武力で鎮圧。同年9月から88年初めまで大統領を務めた。退任後、内乱や殺人などの罪で無期懲役を言い渡されたが、97年12月に特別赦免(恩赦)され、釈放された。
yugiri@yna.co.kr