ソウル市の文化イベント 日本の天皇と憲兵の衣装もレンタル
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル市が23、24両日に主催した大韓帝国(1897~1910年)の文化を伝える夜間フェスティバル「貞洞夜行」で、衣装レンタルの中に日本の天皇と憲兵の衣装があったことが物議を醸している。市は行事の運営を任せた業者が任意に展示したものと説明し、業者に責任を問う姿勢を示した。
貞洞夜行は、大韓帝国の歴史の舞台だった徳寿宮などがあるソウル中心部の中区貞洞一帯で開催された。
市によると、近代の開花期に用いられていた衣装を着用して貞洞を巡ることができるよう、この時代の衣装を有料レンタルできるコーナーが会場内に設置された。大韓帝国皇帝の衣装をはじめ、軍服、韓服(韓国の伝統衣装)、学生服などが貸し出された。
この中に天皇の衣装と憲兵の制服が含まれていた。インターネットコミュニティーや交流サイト(SNS)では、大韓帝国の近代の歴史・文化をテーマとするイベントで、日本が外交権を奪い、その後植民地支配したことを象徴する衣装が展示、貸し出しされたのは不適切と批判する声が上がった。
市は25日、「行事を進行した外部の業者がレンタルコーナーの運営業者と協議し、承認した衣装を貸し出すことにした。行事運営業者は市の承認を得ず、現場で任意に問題の衣装を準備し、貸し出した」と釈明した。
また「会場内を管理監督して不適正な部分に対し措置を取るべきだったが、おろそかになっていた部分があった」と認めた上で、「行事運営側の契約違反事項に対し法的な責任を強く問う」と述べた。
ソウル市では先月も、リニューアルオープンした光化門広場のバス停の絵に、植民地時代の朝鮮総督府と日章旗を連想させるデザインが描かれているという批判が起きた。光化門広場の変遷を示す趣旨で市が若手デザイナーと協業して設置したものだったが、市は誤解の余地があったことを認め、展示を終了した。
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