急増する薬物犯罪防止へ対策協議会設置 政府・与党が合意=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国政府と与党「国民の力」は26日、国会で違法薬物対策を話し合う協議を開き、近年急増している薬物犯罪の防止に向け司令塔となる政府組織の構築や特別捜査チーム運営などの方策を講じることで合意した。
同党の成一鍾(ソン・イルジョン)政策委員会議長は協議後の記者会見で、政府と与党は若者を中心に広がっている薬物の犯罪や誤用・乱用が日常を脅かす深刻なレベルに達しているとの認識で一致したと説明。薬物犯罪の根絶に向けた機関の設置、医療用麻薬の管理策、薬物犯罪根絶に向けた啓発策などを幅広く政府に要請したとし、政府もこうした要請を積極的に受け入れ総力を挙げて薬物の管理と犯罪への対応に当たることにしたと伝えた。
今年1~8月の薬物犯罪の検挙者数は1万2233人で前年同期比14.5%増え、押収量も493.3キロと60.7%増加した。検挙者数に10代が占める割合が2011年の41人から21年は450人に急増するなど、低年齢化の傾向もみられる。
政府と与党はこうした状況を踏まえ、司令塔の機能を担う国務調整室長主管の薬物対策協議会を設置し、捜査・取り締まり、情報の統合・共有、予防・治療・リハビリなどに関して有機的対応を取っていくことを決めた。
また、薬物犯罪の特別捜査チームを1年間運営し、薬物の密輸や違法流通に対処する。薬物の供給者らに対しては厳重に処罰し、暗号資産(仮想通貨)などを含む全ての犯罪収益を追跡する方針だ。
最近急増しているフェンタニルなど医療用麻薬に対しては、重複処方を防ぐため処方時に患者の薬物使用歴の確認を医師に義務付ける。
成氏は協議の冒頭で、「何よりも商品名に(やみつきになるという意味で)『麻薬』を付けるマーケティング手法など薬物の被害を軽んじる社会的認識を正し、若者に対する薬物予防教育などに努める」と述べた。
警察庁の金熙中(キム・ヒジュン)刑事局長は「『麻薬キンパ(のり巻き)』や『麻薬チキン』など麻薬という言葉を使うのが流行のようになっている」とし、薬物に対する拒否感や罪の意識が弱まっていると指摘した。
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