韓国 けさのニュース(10月31日)
◇雑踏事故の重傷者33人・軽傷者116人に 死者は154人
ソウルの繁華街、梨泰院で29日夜にハロウィーンイベントに押し寄せた多数の人が転倒した事故による負傷者は31日午前6時の時点で303人となっている。政府の中央災難安全対策本部によると、死者は154人で前日午後11時時点の発表と同じ。重傷者は33人と3人減り、軽傷者は116人で10人増えた。死者154人のうち153人の身元が確認された。残る1人は現在も確認作業が進められている。
◇雑踏事故の原因究明へ 警察が捜査本部設置
ソウルの繁華街、梨泰院で発生した雑踏事故で多くの死者が発生したのは、狭い坂道に多くの人が集まった点が主な原因と指摘されている。ハロウィーンを迎えて梨泰院では多くの人出が予想されていただけに、警察の警戒が足りなかったのではないかという声も出ている。警察は捜査本部を設置し、本格的に事故原因の究明に乗り出した。事故のいきさつがはっきりしていないため、通報者や目撃者、関係者の証言と防犯カメラの映像を基に事故原因を解明する計画だ。また、管轄自治体が事前に事故の予防措置を取っていたかも確認する。
◇尹大統領 ソウル竜山区を「特別災害地域」に指定
行政安全部は30日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が大規模な雑踏事故が発生したソウル市竜山区を特別災難(災害)地域に指定したと発表した。これは尹大統領が同日午前、国政の最優先順位を事故対応に置くとする談話を発表したことを受けたものだ。特別災難地域の指定は社会的災害としては11回目となる。特別災難地域に指定された場合、遺族や負傷者に対する救護金などの一部が国費で賄われ、被害の収拾や支援は被害者の住所地の管轄自治体が担当する。
◇SNSで伝えられた現場の惨状 人々のトラウマ懸念
ソウル・梨泰院で発生した雑踏事故の現場の映像や写真がSNS(交流サイト)や動画投稿サイト「ユーチューブ」などで拡散し、犠牲者や遺族だけでなく一般市民にとってもトラウマになるのではないかと懸念する声が出ている。事故直後からSNSなどでは目撃者が現場で撮影した映像や写真がリアルタイムで発信され、救急隊員らが心肺蘇生術を行う様子や地面に横たわる遺体など衝撃的な写真も少なくなかった。これまでに例のない大規模な雑踏事故であることに加え、SNSという新しいメディアを通じて現場の様子が刻々と伝えられ、国民の衝撃をさらに大きくしたとの分析も出ている。
◇ソウル雑踏事故 外国人死者26人・負傷者15人
外交部によると、30日午後9時現在、梨泰院の事故による外国人の死者は26人、負傷者は15人となった。外国人死者の国籍はイランが5人、中国、ロシアがそれぞれ4人、米国、日本がそれぞれ2人、フランス、オーストラリア、ノルウェー、オーストリア、ベトナム、タイ、カザフスタン、ウズベキスタン、スリランカが各1人だった。負傷者の大半は病院で治療を受けた後、帰宅した。外交部は外国人死者の遺族の韓国入国など葬儀に向けた支援に必要な全ての措置を取っていると説明した。
◇韓米合同空中訓練開始 最新鋭戦闘機など約240機参加
最新鋭ステルス戦闘機F35AやF35Bなど約240機が参加する大規模な韓米合同空中訓練「ビジラント・ストーム」が31日、始まった。北朝鮮の7回目の核実験の可能性が取り沙汰されるなか、韓米は今回の訓練で北朝鮮に対し強力な警告メッセージを発信する。これに反発する北朝鮮の武力誇示の可能性も提起されている。韓国と米国が大規模な合同空中訓練を実施するのは2017年12月以来、約5年ぶり。
◇新規コロナ感染者1万8510人 前週比4200人増
中央防疫対策本部は31日、この日午前0時現在の国内の新型コロナウイルス感染者数は前日午前0時の時点から1万8510人増えたと発表した。新規感染者数は1週間前に比べ約4200人多い。