雑踏事故の原因解明に注力 目撃者・負傷者ら85人から聞き取り=特捜本部
【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウルの繁華街、梨泰院で発生した雑踏事故で、警察の特別捜査本部はまず事故原因の解明を急いでいる。特捜本部は4日の記者会見で、目撃者と負傷者の計67人と近隣店舗の関係者14人からの聞き取りを終え、梨泰院を管轄する竜山警察署の112(緊急通報)状況室長と現場に出動した警察官3人を参考人として聴取したと説明しながら、「まだ容疑は見つからないと判断した」と述べた。
10月29日夜、梨泰院にハロウィーンイベントに出掛けた人々が狭い路地で折り重なるように倒れる事故が発生し、11月4日午前までに156人の死亡が確認されている。
孫済漢(ソン・ジェハン)特捜本部長はこの日、これまでに85人の関係者からの聞き取り調査を終える一方、現場付近の防犯カメラなど141件の映像を確認しており、国立科学捜査研究院では3Dシミュレーションにより当時の状況を再現していると説明した。特捜本部は2日に関係先を家宅捜索しており、孫氏は「押収した資料の分析が終わり次第、関係者に対する調べを順次進める予定だ」と述べた。
特捜本部の関係者は「現時点では事故原因の把握がまず重要で、この部分に重点的に取り組んでいる」と説明し、「事故原因の解明後、事後措置などが適切だったかなども捜査対象になるだろう」とした。事故原因を明確にした後、犯罪容疑のある関係者を見極め、捜査する方針とみられる。
この関係者は事故の直接的な原因について、人が転倒したことが原因との見方を示しながらもまだ確かではないとし、「国立科学捜査研究院の3Dシミュレーションで科学的に検証してもらう予定」と説明した。
同関係者は「ハロウィーンに備え適切な安全管理対策が立てられていたかどうかは、押収物をもとに、関係者を呼んで具体的な証言を聞く必要がある」とし、「警察や地方自治体など安全措置の主体に対しても、全ての可能性を考えながら捜査を進める」と述べた。
事故原因がある程度分かれば、竜山警察署や竜山区庁などの関係当局が事故発生の可能性があるにもかかわらず備えをおろそかにした、事故発生後に警察が適切な措置を取れず被害が拡大した、といった疑いに対する捜査が本格化するとみられる。
警察内部の報告の遅れを巡る疑惑も近く本格的に捜査が始まる見通しだ。特捜本部は警察庁の特別監察チームから当時の李林宰(イ・イムジェ)竜山警察署長らに関する記録を受け取り、検討する方針だ。
事故発生前、現場付近から11件の緊急通報があったが、うち7件で警察が出動しなかったとされる。これに関し特捜本部の関係者は「捜査初期のため、具体的に確認できていない状況。追って、関係者を呼び出す」と答えた。
捜査範囲に関し、現段階での言及は不適切としながらも「あらゆる可能性を考え、捜査している」と述べた。ソウル警察庁のハロウィーン警備に関しても捜査すると答えた。尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長、金光浩(キム・グァンホ)ソウル警察庁長ら警察首脳部の対応がずさんだったという疑惑にも捜査が及ぶ可能性がありそうだ。
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