韓国軍 ICBM「火星17」との見解維持=北朝鮮は火星15らしき写真公開
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は7日、3日朝に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられるミサイルの写真を公開した。韓国軍はこれを最新ICBMの「火星17」と推定しているようだが、火星17とは明らかに違って見える写真だった。これに関し韓国軍合同参謀本部のキム・ジュンラク広報室長は7日の定例会見で、「わが軍の評価(分析)結果は現在も変わりがなく、詳細は分析中」としたうえで、「韓米の情報当局は、北が発射した長距離弾道ミサイルが正常に飛行しなかったことを(北朝鮮が)報じていない点に注目する」と述べた。
韓国軍によると、北朝鮮は3日午前7時40分ごろ、平壌の順安付近から朝鮮半島東の東海に向けて長距離弾道ミサイル1発を発射した。最高高度は1920キロ、飛行距離は760キロ、最高速度はマッハ15(音速の15倍)だった。韓国軍はこのミサイルを最新ICBMの火星17と判断したとされる。
一方、北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、朝鮮人民軍総参謀部が2~5日に実施したとする一連の武力示威について報じたが、その中で火星17への言及はなかった。公開した写真にも火星17らしきミサイルは写っていない。
写真に登場したミサイルを見ると、炎を噴射しているノズルは二つしか識別できない。ノズルが四つある火星17とは明らかに異なる。ICBM「火星15」もノズルが二つだが、写真のミサイルは弾頭部分の形状がこれまで認識されていた火星15に比べて丸い。
北朝鮮の軍総参謀部はミサイルの種類には触れず、「敵の作戦指揮体系をまひさせる特殊機能前頭部(弾頭)の動作の信頼性検証に重要な弾道ミサイル発射実験」を実施したとだけ説明した。
電磁パルス(EMP)と推定される「特殊機能」の弾頭を新たに開発して火星15に搭載したとすれば、弾頭の形が変化したことの説明がつく。
韓国軍合同参謀本部のキム広報室長はこの日の会見で「きょう北が公開した内容がすべて事実というわけではない」と指摘した。北朝鮮が偽りの情報を入れた可能性もあるとみている。
3日朝のミサイル発射当時に韓米当局は、ミサイルが2段目の分離まではできたものの正常な飛行には失敗したと判断した。最高速度も通常のICBMのマッハ20を大きく下回った。北朝鮮がこうした失敗を伏せるため、弾頭の実験だったと主張して分析を混乱させようとした可能性などが指摘されている。
mgk1202@yna.co.kr