雑踏事故当時の消防無線記録公開 緊迫した状況明らかに
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル・梨泰院で156人が死亡した雑踏事故で、消防無線の記録から先月29日夜の事故当時の緊迫した状況が明らかになった。最大野党「共に民主党」の梨泰院惨事対策本部が8日公開したソウル総合防災センターの録音データによると、無線では相次いで消防と警察の出動が要請されていた。
午後10時15分に初めて事故の通報があった後、警察の出動が要請されたのは同18分だった。
その後、20分と24分にも出動を急ぐよう要請があり、現場出動指揮チーム長は29分に「車の進入が難しく、隊員たちが徒歩で移動中」と報告。31分に「ハミルトンホテルの横の路地で約30人が倒れており、救急車はまだ来ていない」として、「路地の前にいる通行人を大通りに誘導するよう警察に要請してほしい」と伝えた。
この際、3人の意識がないという通報内容も共有された。
42分には「15人ほどが心肺蘇生措置を行っているが、人数が足りない」として隊員を追加で出動させるよう要請があった。
43分、指揮チーム長は対応第1段階を発令。傾斜路で約20人が倒れているとして、進入路を確保できるよう警察に速やかに要請してほしいと報告した。
午後11時ごろには「約30人の意識がない」として隊員をさらに出動させるよう求めた。
管轄の竜山消防署長は事故発生から50分後の同5分、無線で自らが指揮を執ると宣言し、消防と警察の支援を求めた。
また、ハミルトンホテルの裏側に心肺停止状態の患者が約40人いるとして消防の迅速な支援を重ねて求め、現場に到着した消防隊員にはホテルの裏へ急ぐよう指示した。
13分、ソウル総合防災センターの状況室は対応第2段階への引き上げを伝えた。竜山消防署長は「心肺停止の患者が多すぎて数えきれない」とし、消防と警察をさらに出動させるよう求めた。
現場から災害派遣医療チーム(DMAT)の出動を求められ、既に要請済みだとする記録もあった。
竜山消防署長は36分、非番の隊員を全員動員するよう指示した。
ソウル消防災難(災害)本部長は48分に初めて登場し、「この時間をもって対応第3段階を発令する」と宣言した。
竜山消防署長は引き続き警察による交通規制を要請した。55分ごろには「(梨泰院に近い)緑莎坪から梨泰院駅まで(交通)規制されていない。速やかに警察の追加出動を要請し、救急車が通れるようにしなければならない」と指示した。
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