対北朝鮮ビラ禁止法は「違憲」 韓国統一相が憲法裁に意見書
記事一覧
2022.11.10 12:42
【ソウル聯合ニュース】韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官が、文在寅(ムン・ジェイン)前政権時に成立した北朝鮮への体制批判のビラ散布を禁じる法律(改正南北関係発展に関する法律)は違憲だとする意見書を憲法裁判所に提出した。弁護士団体「朝鮮半島の人権と統一のための弁護士会」が10日、伝えた。
弁護士会が公開した意見書で、権氏はビラ禁止法について「表現の自由を侵害し、罪刑法定主義と明確性の原則、比例性の原則に違反しているため違憲だ」と指摘した。
また「ビラなどを北の不特定多数に配布したり、北に移動させたりする行為は北の当局や住民に政治的影響力を行使する意図や可能性を含んでいることから、政治活動あるいは政治的意思表現にあたる」としたうえで、「こうした行為の処罰は政治活動の自由または政治的意思表現の自由の制限とみなせる」と主張した。
さらに、禁止法がビラなどの散布に該当する行為を広範囲に制限しており、同法が禁じる「国民の生命・身体に危害を加えたり、深刻な危険を発生させたりする行為」の意味が不明確なため、恣意(しい)的な処罰につながる恐れがあると強調した。
同弁護士会など27団体は同法が違憲かどうかの判断を憲法裁に求めており、権氏は利害関係人として意見書を提出したという。
韓国では脱北者団体が体制批判のビラを風船に付けて北朝鮮に飛ばしてきた。北朝鮮はこれに強く反発している。
同法は南北軍事境界線一帯でビラ散布、拡声器を使った放送などの行為を行った場合、3年以下の懲役または3000万ウォン(約320万円)以下の罰金を科すことを定めている。
tnak51@yna.co.kr