北朝鮮の非核化「不可能ではない」 制裁と説得継続が必要=韓国統一相
【ソウル聯合ニュース】韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官は16日、就任半年を機に聯合ニュースと聯合ニュースTVの共同インタビューに応じ「北の非核化という目標は不可能ではない」と述べたうえで、北朝鮮に対する制裁と並行して北朝鮮を説得する努力を続ける必要があるとの認識を示した。
北朝鮮は9月に核を先制攻撃に使用する条件を定めた核武力政策の法制化を発表した。権氏は、北朝鮮が核を巡りこうした強い意思表示をしたとしても北朝鮮非核化の可能性が消えたと考えるべきではないとした。制裁や圧力、拡大抑止は北朝鮮を非核化交渉に引き出す手段になるとし、「対話を通じ、非核化すればどのようなプラスの変化が生じるかが話し合われる時、北は非核化を最終決定することができるだろう」と見込んだ。
韓国政府が北朝鮮に提案した非核化ロードマップ「大胆な構想」でも、北朝鮮が主張する「安全保障の懸念」に関連した政治的・軍事的な見返り措置を検討していると説明。具体例として米朝関係の正常化を通じた外交関係立て直しへの支援、単なる平和協定にとどまらない恒久的な平和体制の担保などを挙げた。
権氏はこの先の朝鮮半島情勢について、北朝鮮が挑発の頻度を高めている状況を踏まえると当分は緊張状態が続く可能性が高いとの見通しを示した。
北朝鮮による7回目の核実験実施の可能性に関しては、9月の核武力政策の法制化で一定の政治的効果を得たと見なせるとしながら、今すぐ核実験に踏み切る必要性には迫られていないだろうと述べた。中国の政治日程への配慮が影響しているとの見方を示しつつも、これが来年3月開催の中国の全国人民代表大会(全人代)と人民政治協商会議まで続くかは定かでないとした。
北朝鮮に対抗するため韓国への戦術核の再配備あるいは独自の核武装論が一部で取り沙汰されていることに対し、権氏は「政府は考えていない」とこれまでの立場を繰り返した。一方で世論が広義の核武装の方向に傾く場合には「いつまでも無視することはできない」と述べた。
現在の南北関係については「今は全ての対話が断たれ、積極的な試みは難しい状況」とした。まずはスポーツや文化、宗教などの交流を通じ南北関係改善のきっかけを作る必要があるとの考えを示し、来年5月に韓国南部の慶尚南道・晋州で開催される重量挙げのアジア選手権への北朝鮮参加を支援したいと述べた。
北朝鮮の人権問題に対しては「北との直接対話ができなくても、国際機関、非政府組織(NGO)を通じて北の人権状況について対話できる業務に、予算を充てる計画」と説明した。
韓国に暮らす脱北者の支援に関しては、厳しい状況に置かれた世帯の支援システムを根本から見直す考えがあるとし、脱北者が定着するまでの心理的サポートも強化すると述べた。
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