雑踏事故 救助のゴールデンタイムは「事故発生後45分間」=韓国警察
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル市・梨泰院で158人が死亡した雑踏事故を捜査中の警察庁特別捜査本部は23日、適切な救助措置を行えば人命被害を減らすことができた「ゴールデンタイム」は事故発生から45分後の先月29日午後11時までだったとの判断を示した。
この日、竜山消防署のチェ・ソンボム署長は事故発生から28分後の午後10時43分に現場指揮チーム長に指示して「消防対応第1段階」を発令した。続いて、午後11時8分には自らが指揮を執ると宣言した。
特別捜査本部は、チェ署長が指揮に乗り出すまでの現場指揮チーム長の対応にも問題があったとみている。
当日の消防無線の記録によると、現場指揮チーム長は午後11時ごろに「後ろから倒れた通行人を起こして安全な場所に誘導しており、間もなく状況が落ち着くと推定される」と話している。
特別捜査本部は、チェ署長が指揮を宣言するまで現場判断で近隣地域の救急隊などに支援要請を行っていた現場指揮チーム長が状況を適切に判断できていなかった可能性を念頭に調べを進めている。
同本部は当時の消防当局の救助措置に不備があったとしてチェ署長と現場指揮チーム長を業務上過失致死傷の容疑で立件し、捜査している。26日にはチェ署長を出頭させ、消防対応第2段階の発令以降に現場指揮をどのように行ったか集中的に取り調べる方針だ。
ソウル消防災難(災害)本部長は事故当日の午後11時13分に消防対応第2段階、同48分に第3段階を発令した。第2段階は10人以上、第3段階は20人以上の人命被害が発生した場合にそれぞれ発令される。
チェ署長は、当時の現場の状況が深刻だったため発令できなかっただけで、第2段階の発令が遅れたわけではないと供述し、容疑を否認している。
特別捜査本部はまた、竜山消防署がハロウィーンを前に作成した消防安全対策の文書を基に、消防署員らが指定された勤務地であるハミルトンホテル前にいなかった可能性も視野に入れている。
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