尹大統領「ポピュリズムが健保制度の根幹揺るがした」　前政権の政策破棄へ

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は１３日の閣議で「国民の健康を守る最後のとりで、健康保険の正常化が急がれる」と述べ、健康保険改革の推進を表明した。健康保険の保障性を強化した前政権の政策、いわゆる「文在寅（ムン・ジェイン）ケア」からの大きな方向転換を言明したことになる。

　尹大統領は「健康保険改革は選択でなく必須」と強調した。前政権の政策について「保障性の強化に５年間で２０兆ウォン（約２兆１１００億円）超をつぎ込んだ。政府が医療の乱用と健康保険のただ乗りを放置したことで、多くの国民に負担が転嫁された」と指摘。「ポピュリズム政策は財政を破綻させ、健康保険制度の根幹を損ね、結局は国民に大きな犠牲を強いる」と批判した。

　今後は「健康保険給付と資格の基準を強化し、健康保険の浪費を防ぐ必要がある」とする一方、切り詰められた財源の中、医療の死角になり苦しむ人たちを手厚く支援していくと述べた。また「重症疾患のように費用が高くても欠かすことができない医療を確実に保障することが健康保険制度の要諦」とも強調した。

　一方、２０２３年度（１～１２月）予算案が期限を過ぎても国会で可決されていないことに、尹大統領は「非常に残念な気持ち」と言及した。同予算案は経済の危機的状況を克服するため、支出の構造改革を断行し財政の健全化を図りつつ、庶民と社会的弱者を支援することに焦点を当てていると説明した。

　税制改正に関しては「国民の過度な税負担を正常化し、法人税引き下げにより企業の投資と雇用を増やし、経済の活力を向上させられるよう、党を超えた協力をお願いしたい」と呼び掛けた。また、韓国経済の成長と持続可能性のため、近ごろ低迷する輸出の拡大、加速にも万全を期す必要があるとした。

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