韓国が国連のクリミア人権決議に賛成 委員会での棄権から一転
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は15日(米東部時間)の国連総会本会議で、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミアの人権状況に関する決議案に賛成票を投じた。先月16日の国連総会第3委員会(人権)では同じ決議案の採決で棄権していた。それから1カ月後の本会議で賛成に回ったのは異例。外交部当局者は「普遍的な価値と人権を尊重する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の立場をもう少し鮮明に打ち出す必要があると判断した」と説明した。
ウクライナなどが提案した決議案はクリミアの人権状況を懸念する内容で、本会議で賛成82カ国、反対14カ国、棄権80カ国となり、採択された。
韓国政府は先月の第3委員会の採決を棄権した際、政治的、軍事的な内容が盛り込まれ、人権に関する決議の慣行からは外れているためと説明していた。だが韓国のメディアや専門家などから、価値観を重視する尹大統領の外交路線で一貫性が保たれないと批判され、本会議では立場を変えたとみられる。
外交部当局者は「普遍的な価値の尊重というわが政府の政策の基調に対しメディアと国民に多くの誤解と危惧を抱かせたとすれば、われわれが守ろうとするものより失うもののほうが多いのではないかと考えるようになった」と言及した。ロシアが厳冬期にウクライナのインフラを攻撃し民間人を苦しめる状況を取り上げ、「この戦争に反対するわれわれの立場をより明確に、広範囲に示す必要があると判断した」と説明した。
また「(第3委員会の)投票結果を見て、(韓国と価値を共有する)同じような立場の国とずれている状況を修正する必要があるのではないかというのが再検討の要因になった」とも述べた。第3委員会の採決で米国や欧州諸国、日本、オーストラリアなどは賛成票を投じていた。
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