ソウル梨泰院事故 発生前後の1時間に緊急通報約120件
【ソウル聯合ニュース】韓国ソウル市・梨泰院で158人が死亡した雑踏事故に絡み、事故が発生した10月29日午後10時から11時までの1時間に寄せられた「112番」緊急通報が120件を超えていたことが、28日分かった。
事故の真相解明などに取り組む国会の国政調査特別委員会に所属する最大野党「共に民主党」の尹建永(ユン・ゴニョン)議員が、警察から入手した事故当日のソウル・竜山警察署の通報に関する分析結果を明らかにした。
これまで警察は、事故当日の午後6時34分から10時11分までに受け付けた11件の通報内容のみを公開していた。
分析資料によると1時間の間に寄せられた通報は計153件で、このうち事故と関連があると推定されるのは120件以上だった。
通報によると、市民らは事故が発生した午後10時15分より前から助けを求めていた。
午後10時ちょうどに受け付けられた通報は「梨泰院の人出が多く、車道にはみ出していて通行規制が必要だ」、10時11分の通報は「人が多すぎて圧死しそうだ」との内容だった。
事故の発生以降は、人命被害が発生していることを知らせる通報が相次いだ。
10時19分には「梨泰院の通りの人が多すぎて下敷きになり、死にそうだ」、同23分には「人が多くて息ができない」との通報があった。
人波に押されてまともに話ができなかったのか、一部の通報では悲鳴と泣き声しか聞こえなかった。
このような通報が相次ぐ間も、当時の竜山警察署112状況室長は上層部に報告せず、無線で「車道にあふれている人波を歩道に誘導せよ」という指示を繰り返したとされる。
尹議員は、事故当日は警察のみならずソウル市や行政安全部、大統領室などの指揮系統が空白の状態であり、危機管理能力が欠如していたとして、原因と責任を追及しなければならないと指摘した。
ynhrm@yna.co.kr