韓米 拡大抑止実行力の強化協議中=韓国国防部
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が米国と核戦力運用の共同演習を議論していると言及したことを巡りバイデン米大統領が否定するような発言をしたことについて、韓国国防部のチョン・ハギュ報道官は3日の定例会見で「韓米は昨年11月の定例安保協議(SCM)で北の核とミサイルに対応するための情報共有や協議体制、共同企画、共同実行など拡大抑止を巡って協力を強化することで合意した」として、「さまざまな拡大抑止の実行力強化策を協議している」と述べた。
尹大統領が言及した核戦力運用の共同演習は韓米が合意した拡大抑止の実行力強化策の一つである「共同実行」に該当するという。
チョン氏は核戦力運用の共同企画や共同実行などの詳細に関して、「韓米がさまざまな案を協議しているが、詳細な計画を公表することは適切ではなく、具体的に公表できるときに説明する」と述べるにとどめた。
尹大統領は国内メディアとのインタビューで、「実効的な拡大抑止のため、米国の核の共同企画、共同演習を議論しており、米国も相当前向き」と述べていた。だが、バイデン大統領は2日(現地時間)、韓国と核の共同演習を議論しているかを問う記者団の質問に「ノー(違う)」と答え、認識のずれが明らかになった。
バイデン大統領の発言について、韓国大統領室の金恩慧(キム・ウンヘ)広報首席秘書官は「記者が単刀直入に(韓国と)『核戦争演習』を議論しているのかと尋ねたため、当然『違う』と答えるしかなかったと考える」と説明。記者が核保有国間で可能な核戦争演習について質問したため、バイデン大統領が否定したとの考えを示した。
韓米が定例安保協議で合意した拡大抑止の協力策には▼情報共有▼危機時の協議▼共同企画▼共同実行――などで連携を強化するとの内容が盛り込まれている。共同企画は米国の核政策・戦略、作戦計画、対応策などの策定に韓国が参加することを、危機時の協議は有事の際の協議体制を構築することを意味する。米国の核の意思決定に韓国の意思を反映させるものといえる。共同実行には共同訓練・演習が含まれる。韓米はすでに拡大抑止手段机上演習(TTX)の定例化に合意している。
米ホワイトハウスの高官もバイデン大統領の発言が報じられた後、「韓米は情報共有の拡大、危機協議の拡大、TTXの定例化を検討している」と述べ、定例安保協議での合意事項を改めて確認した。
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