自宅から通勤のソウル市長 3月末から公邸に=緊急事態に迅速対応へ
【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル市は10日、竜山区漢南洞に市が所有する多目的施設の一部を改築して市長公邸とし、呉世勲(オ・セフン)市長が3月末に入居する予定と発表した。
ソウル市長公邸が設けられるのは約2年ぶり。呉氏は2021年の補欠選で勝利し、約10年ぶりに市長に返り咲いてからは、不要な税金の支出を減らす目的で公邸を置かず、市内の自宅から通勤している。
市長公邸になる建物の位置は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が暮らす公邸と直線距離で約300メートル。
公邸を設けることにした理由についてソウル市は、梨泰院の雑踏事故のような大規模事故や災害など緊急事態が発生した場合に効率よく対応するため、市庁舎に迅速に移動できる場所に公邸を置く必要があるとの意見があったと説明した。
また「市長の現在の自宅周辺で集会が続いたことで、近隣住民に被害が生じたため、これを防止するため公邸の使用を検討することになった」と付け加えた。
市長公邸が入る建物は同公邸にする目的で2009年に建築されたが、08年にリーマン・ショックが起きたことが影響し、中小企業が利用できるビジネス空間に用途が変更された。
市は予算削減のため、市が所有する同施設の3階部分を公邸として使うことを決めた。建物の延床面積は2967平方メートルで、公邸は10%に該当するという。
市は、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことで、今後、市政に関連した多様な行事が開かれることが予想されるが、公邸が入る同施設を活用することで、ホテルや宴会場などを借りる費用の節減効果も期待できると説明した。
市の担当者は公邸を単なる市長の住居ではなく、緊急時に迅速な対応を取るための「第2の市長執務室」として運営するとし、企業の投資誘致や都市外交などビジネス支援の面でも相乗効果を出せるようにするなどと話した。
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