韓国政府 徴用問題で「日本企業の賠償肩代わりも可能」=被害者側は猛反発
【ソウル聯合ニュース】韓日関係の最大の懸案となっている徴用訴訟問題を巡り、韓国外交部と超党派の韓日議員連盟の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)会長は12日、問題解決に向けた公開討論会を共催した。政府は韓国の徴用被害者が日本企業からの賠償に代わり第三者から弁済を受けることが可能との認識を示したが、被害者側は改めて政府案に激しく反発した。
討論会で外交部の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長は「債権債務履行の観点から、判決金(賠償金)は法定債権として被告である日本企業の代わりに第三者が弁済可能ということが(これまでの官民協議会で)検討された」と説明した。
第三者による弁済を行う場合、政府として原告の被害者と遺族に直接説明し、受け取りの意思を尋ね、同意を求める過程を必ず経ると強調した。主体は政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」とする方向だ。
日本側の謝罪に関して徐氏は「日本がこれまでに表明した(歴史問題での)痛切な謝罪と反省を誠実に維持、継承することが重要だ」と述べた。この発言は、徴用問題に対する直接の謝罪でなく、日本政府がこれまでに示した反省の姿勢を確認する程度にとどまる可能性を示唆したものとみられる。
また徐氏は、両国の立場が対立する状況では被告企業の賠償金支払いは事実上困難なことを官民協議会の出席者と被害者側も分かっているようだとし、「創意あるアプローチが必要になる」と述べた。
日本企業はいかなる形だろうと賠償金支払いのための資金の拠出に応じようとしていない。被害者への支払いの財源に関し、日帝強制動員被害者支援財団の沈揆先(シム・ギュソン)理事長は「財団がこの問題に関わる機関となる場合、まずは請求権協定で恩恵を受けた企業の基金を用いることになりそうだ」と述べた。
1965年に締結された韓日請求権協定により日本からの資金で設立された韓国鉄鋼大手ポスコなどの拠出を指す。沈氏はまた、今回対象となる判決以外の徴用被害者全体のための解決策として特別法の制定を提案した。
一方、討論会に出席した被害者側は政府案に反対する姿勢を明確にした。被害者の代理人を務める林宰成(イム・ジェソン)弁護士は、韓国が日本企業の賠償を肩代わりする代位弁済などを「本質をごまかす、ゆがんだフレーム」と指摘し、政府案に対し真剣な討論を重ねる必要があるとした。日本側の謝罪は以前の談話をなぞる程度にとどまるとの懸念も示した。
民族問題研究所のキム・ヨンファン対外協力室長は「韓国が先に資金を拠出して日本の呼応を待つというのは、残念ながら日本に免責を与えることではないか」と問題提起した。
専門家の間では意見が分かれている。日本の謝罪と資金拠出を現実的に期待できない状況では「重畳的債務引受」が解決策になるとの意見もあれば、政府が解決を急ぎすぎているとの声も上がる。
政府は問題解決が急務としており、この日の討論会を最後に解決策の正式発表へ進みたい考えだ。ただ、被害者側の反対は依然として激しく、さらに世論の取りまとめに迫られる可能性もある。
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