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韓日局長が東京で協議 徴用問題巡る日本の「呼応措置」に注目

記事一覧 2023.01.16 18:21

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長は16日、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長と徴用訴訟問題を巡り東京で局長級協議を行った。韓国政府が12日に開いた公開討論会で同問題の有力な解決策として韓国の財団が日本企業の賠償支払いを肩代わりする案を提示し、13日には韓日外相が電話会談を行ったのに続いて同日の局長級協議まで、韓日当局はスピーディーに議論を進めている。この日の協議で韓国政府は、被害者側が政府の解決策に反発しているとともに国内世論の支持も得られていない現状を説明し、接点を見いだすためには日本の「呼応」が必要だという点を改めて強調したとみられる。

韓国政府が12日、国会で開いた公開討論会の様子=(聯合ニュース)

韓国政府が12日、国会で開いた公開討論会の様子=(聯合ニュース)

 韓国政府は討論会で、政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が韓国企業など民間から寄付金を募って財源をつくり、日本企業の賠償金を肩代わりする案を提示した。だが、被害者側は徴用訴訟の被告である三菱重工業と日本製鉄の資金拠出への参加が担保できないとして、このような案は受け入れがたいとの姿勢を示している。

 外交部の趙賢東(チョ・ヒョンドン)第1次官が討論会開会のあいさつで「われわれが決断力ある第一歩を踏み出せば、日本もこれに呼応し足並みをそろえて未来に進むことができると期待する」と述べたのは、韓国の取り組みに対して日本が相応の措置を取るよう促したものと受け止められる。

 このような韓国の状況を意識したかのように、日本が呼応措置を取る可能性が日本メディアなどを中心に取り沙汰されている。

 日本政府内では、財団が肩代わりした賠償金の返還を被告企業に求める「求償権」を放棄すれば、日本企業による財団への寄付を容認するという案が浮上しているとされる。

 徴用訴訟問題は韓国側が解決すべきとしていた過去の日本の態度に比べると明らかな進展ではあるが、問題は複雑な争点のディテールにあるとの指摘が出ている。

 日本は求償権の放棄によって自国企業の拠出は徴用訴訟の判決の履行ではないという形を取ろうとしているが、韓国としては受け入れがたい。

 また、寄付の方法も問題になりかねない。一部では、韓国と日本の企業が賠償金を支給するために財団への拠出を行えば、背任に該当する恐れがあるとの指摘も出ている。

 これに対し財団側は、指定寄付金団体に指定されているため寄託先を指定した寄付金を受け取ることは可能だと説明している。韓日請求権協定に基づいて日本から支払われた資金で設立された代表的な企業であるポスコは、このような方法で計60億ウォン(約6億2000万円)を拠出した。

 日帝強制動員被害者支援財団の沈揆先(シム・ギュソン)理事長は討論会で、企業に参加を強要するのではなく「社会的貢献」や「社会的責任(CSR)」として自発的に参加するよう誘導することが被害者と企業の双方のためになると主張した。

 日本側に判決の履行ではないという名分を与えることが被告企業を参加させる鍵になるとみられるが、同時に被害者が求める責任の履行も満たさなければならない点が政府のジレンマといえる。

 謝罪については、日本政府が徴用問題について過去に発表した立場を改めて示すことで折り合いをつけることになると予想されるが、重要なのは過去の謝罪の継承が「誠意ある呼応」と認識されるかどうかだ。

 日本は1995年の村山談話と98年の金大中(キム・デジュン)―小渕宣言(韓日共同宣言)でアジアの国民、または韓国人に対する「痛切な反省と心からのおわび」を表明している。

 その後、日本の歴史認識が後退し、右傾化の流れが強まっている中で継承すると改めて明言することに意味があるとの評価が出ている。

 その一方で、被害者側は「徴用問題に対する事実の認定」を前提とした謝罪を求めており、過去の立場を再び発表することが被害者の期待に沿うかどうかは見通せない。

 韓日間の協議は大詰めを迎えているが、これらの問題点を解決できる妙案を導き出せるか推移を見守る必要がありそうだ。

 韓国政府は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が早ければ来月にも日本を訪問する可能性も念頭に置いているとされる。訪日が実現すれば韓日首脳間のシャトル外交が再開されることになるが、まずは徴用訴訟問題の進展による足場固めが求められる。

ynhrm@yna.co.kr

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