韓国企業の元会長「北に800万ドル提供」と供述 最大野党代表の訪朝などのため
【水原聯合ニュース】韓国下着メーカー大手・サンバンウルグループの元会長、キム・ソンテ氏が検察の調査で、北朝鮮に総額800万ドル(約10億4200万円)を渡したと供述したことが31日、分かった。
800万ドルのうち500万ドルは京畿道が推進していた北朝鮮スマートファーム(農林複合型モデル農場)支援事業の費用、300万ドルは当時、京畿道知事だった最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の訪朝費用の名目で支払ったという。
京畿道の北朝鮮スマートファーム支援は2018年に推進された。18年10月当時、京畿道の平和副知事だった李華泳(イ・ファヨン)被告(起訴済み)は北朝鮮と合意した6件の交流協力事業を発表。このうちの一つが黄海道地域の農場をスマートファームに指定し、京畿道が支援に参加するものだった。
北朝鮮側がサンバンウルに対し、「京畿道が以前から北の立ち遅れた農場をスマートファームに改良するよう支援すると言っているが、まだ支援がない」とし、「京畿道の代わりに50億ウォン(約5億3000万円)を支援してほしい」と要求し、キム氏がこれに応じたという。
また李被告は18年に「道知事の年内訪朝の可能性」も明らかにしていた。実際、京畿道は19年5月、北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会に対し、訪朝に必要な招待状を送るよう要請する公式文書を送ったという。これと関連して北朝鮮側は京畿道知事が訪朝するには金が必要だとし、キム氏が300万ドルを渡したという。
また、キム氏は「李在明代表とは電話で話したこともない」とするこれまでの主張も覆した。19年1月に中国で北朝鮮側関係者と会った席で、李被告が李在明氏と電話通話し、途中で自身と代わったという。
検察はキム氏のこのような供述をもとに、北朝鮮への送金の規模と背景を調べる一方、サンバンウルがどのような理由で京畿道に代わり、巨額を拠出したのか調べるとみられる。
さらに李在明氏がこのような北朝鮮への送金の事実を把握していたかどうかについても調べるとみられ、同氏に対して直接調査が行われる可能性もある。
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