米国が核戦略指針の韓国語版を公表 「核武装論」意識か
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2023.02.01 11:01
【ワシントン聯合ニュース】バイデン米政権の核戦略の指針「核体制の見直し(NPR)」全体を翻訳した韓国語版が1月31日(現地時間)、米国防総省のホームページに掲載された。2018年公表の前回のNPRでは21ページに要約した韓国語翻訳版を提供したが、昨年10月27日に公表した新たなNPRについては全て翻訳した42ページの韓国語版を用意した。
米国防総省は10年公表のNPRをスペイン語、ロシア語、アラビア語、中国語、フランス語にそれぞれ翻訳した要約版を提供し、18年のNPRではスペイン語とアラビア語の要約をなくし、韓国語と日本語の要約を加えた。
22年のNPRに関しては同省のカール次官(政策担当)が前日、中国語とフランス語、日本語、韓国語、ロシア語版を準備したとツイッターで明らかにしながら、「安全で確実、効果的な核抑止と、強力で信頼できる拡大抑止」を強調した。
NPRは米国とその同盟国に核の脅威を及ぼす北朝鮮や中国といった勢力に言及し、攻撃を抑止するための核戦略と核抑止力の強化、核不拡散の取り組みなどを説明する。韓国など核兵器を持たない同盟国が独自に核武装しないよう、米国が提供する拡大抑止(核の傘など)の信頼性を強調する内容も盛り込まれている。
韓国では米国の拡大抑止に対する不安が膨らみつつあり、米国がこうした状況を意識して新たなNPRの全体を韓国語に翻訳した可能性がある。米国の専門家は、韓国で持ち上がる核武装論が、米国が維持したい核不拡散体制に亀裂を入れかねないと懸念している。また、中国やロシア、北朝鮮などに対し米国の核戦略と意図を明確に伝え、判断を誤らせないという目的もあるとみられる。
mgk1202@yna.co.kr