韓国のエンゲル係数上昇幅が主要国上回る 食品物価急騰で
【ソウル聯合ニュース】韓国経済団体、全国経済人連合会(全経連)傘下の韓国経済研究院は16日、消費支出に占める食費の割合であるエンゲル係数の国際比較報告書を発表し、新型コロナウイルス禍で韓国のエンゲル係数が主要国よりも大きく上昇したとの分析を示した。
米国、ドイツ、日本、英国、フランスの主要5カ国(G5)と韓国のエンゲル係数の推移を比較したところ、韓国のエンゲル係数は新型コロナ流行直前の2019年の11.4%から21年に12.8%と1.4ポイント上昇した。上昇幅は同期間のG5の平均(0.9ポイント)を上回った。
国別の上昇幅は英国が1.2ポイント、ドイツが1.0ポイント、日本が0.9ポイント、フランスが0.8ポイント、米国が0.4ポイントだった。
研究院は、韓国のエンゲル係数が主要国に比べて大きく上昇した理由として国内の食品物価の急騰を挙げる。
国連食糧農業機関(FAO)によると、韓国では新型コロナ禍の20~21年に食品の消費者物価の上昇率が年平均5.2%を記録し、G5平均(1.7%)の3倍以上高かった。韓国は主な農産物の多くを輸入に頼っているなど食料安全保障の水準が低く、新型コロナなどによる世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱が起きると食品物価が不安定にならざるを得ないと研究院は指摘している。22年の韓国の穀物自給率は19.4%で、米国(117.0%)や欧州連合(EU、102.1%)、英国(95.3%)、日本(26.9%)を下回った。
韓国は可処分所得に対する消費支出の割合を示す平均消費性向も21年10~12月期に67.3%と、コロナ前の19年10~12月期に比べ3.9ポイント低下した。
平均消費性向の低下は不要な消費を減らし、消費全体のうち暮らしに欠かせない食料品への支出を増やしたことを意味する。研究院は、家計消費の鈍化もエンゲル係数の上昇を招いていると分析している。
tnak51@yna.co.kr