韓国大統領室 国家捜査本部長の任命取り消し巡り「人事検証に限界」
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2023.02.26 12:18
【ソウル聯合ニュース】韓国で警察の捜査を取り仕切る国家捜査本部長に弁護士の鄭淳信(チョン・スンシン)氏が任命されたが、息子の校内暴力問題で任命が取り消されたことについて、大統領室高官は26日に聯合ニュースに対し、「人事検証に限界があったことを認める」と明らかにした。
国家捜査本部長は警察の捜査を取り仕切る要職で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は24日に鄭氏を任命した。しかし、鄭氏の息子が有名私立高校に在学中だった2017年に寮の同じ部屋の同級生に約8カ月間、言葉の暴力を繰り返し、転校処分を受けたことが明らかになった。鄭氏側は処分が重いとして訴訟を起こしたが、裁判所は認めなかった。被害を訴えた生徒は精神的な苦痛により自殺を図るなど、正常な学校生活ができなかったという。
同高官は「公職候補者の子供に関する問題のため、不備があったと判断される」と説明した。公職者候補の子供の学校生活などは通常の人事検証に活用される資料対象に入らない。このため、鄭氏の息子が犯した校内暴力や訴訟記録を確認できなかったとみられる。
同高官は「国家公権力を利用し民間人査察水準の情報収集活動を行っていた過去の政権とは違いがある」と強調した。過去に比べ、国民が公職者に求めるものは多様化したが、検証できる手段は少なくなり、人事検証に困難な側面があるという。大統領室は今後、人事検証システムの改善案を検討する方針だ。
また、同高官は鄭氏の息子の暴力問題が任命取り消しの理由になったことについて、「非常に重く見ている」とも述べた。そのうえで、「校内暴力根絶のための根本的な対策を議論している」と明らかにした。
kimchiboxs@yna.co.kr