韓国外相が徴用被害者遺族に日本との交渉内容説明 反応はさまざま
【ソウル聯合ニュース】韓国と日本の外交当局間で徴用被害者への賠償問題を巡る協議が続くなか、韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官は28日、ソウル市内で被害者遺族と面会してこれまでの協議の経過などを説明した。
韓国政府が先月12日の公開討論会で提示した解決案は、大法院が賠償命令を出した日本企業に代わり韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が判決金(賠償金)の支払いを行うというのが骨子。この案に対し遺族らからは肯定的な反応、否定的な反応のそれぞれが示されたという。
朴氏は被害者遺族らと約70分間面会した。
韓国政府はこれまで、支援団体関係者や訴訟代理人との面会を続け、昨年9月には朴氏が被害当事者の梁錦徳(ヤン・クムドク)さんや李春植(イ・チュンシク)さんと面会したが、被害者遺族に政府関係者が会ったのは今回が初めて。
朴氏は韓国政府が日本側の謝罪や被告企業の財団への資金拠出など「誠意ある呼応」を引き出すために努力している点を強調した。また公開討論会で示した解決案について改めて説明し、同案に対する遺族の意見を聴取した。
関連訴訟で原告代理人を務める弁護士、林宰成(イム・ジェソン)氏によると、政府案に対する遺族らの意見は肯定的なものも否定的なものもあったようだ。
林氏は面会後、記者団に対し、40人以上が参加し、韓国政府の立場に肯定的な反応を示した人も、政府を厳しく批判する人もいたと説明した。また、朴氏が「きょうの(遺族との)面会は現政府がこの問題をこれ以上放置しないという意思を示したものと理解してほしい」などと話したことについて、「抽象的な宣言」などと指摘した。
面会に参加したのは徴用訴訟で判決が確定した3件のうち、広島の三菱重工業と日本製鉄で働かされた被害者の遺族らのほか、不二越を相手取った損害賠償請求訴訟の原告ら34人と関係者など計約40人。判決が確定している名古屋の三菱重工業で働かされた被害者遺族は参加していない。
徴用問題を巡る両国の交渉が大詰めを迎えるなか、外交トップが自ら遺族に会うことで問題解決を加速させたい考えとみられる。
yugiri@yna.co.kr