韓国 人工衛星関連の対北輸出監視リスト公開=開発阻止へ
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は21日、北朝鮮への輸出規制の一環として、北朝鮮の人工衛星開発に使われる可能性がある77品目の監視対象リストを公開し、国際社会に注意を呼びかけた。77品目の北朝鮮への流入を規制し、北朝鮮が打ち上げを公言した軍事偵察衛星の開発を防ぐ狙いがある。
77品目には焦点面アセンブリーなど光学搭載物の構成部品や低精度太陽センサーなど衛星の姿勢制御装置、太陽電池パネル、アンテナ、GPS機器などが含まれる。
韓国政府は第三国経由を含め北朝鮮への輸出を禁止しているが、北朝鮮が衛星開発に使用できる品目のリストを公開し、国内と国際社会に注意を喚起する効果を期待している。民間用にも使われる低い仕様の品目は北朝鮮に輸出される可能性が相対的に高いため、北朝鮮が最終使用者にならないようにしたい考えだ。
韓国政府は77品目を製造する国などに事前にリストを送り、輸出規制に活用するよう呼びかけた。
今回の措置は2016年に採択された国連安全保障理事会決議の「キャッチオール規制」などに基づいている。キャッチオール規制は安保理決議に盛り込まれていないものについても国連加盟国が北朝鮮の核・ミサイル開発などに転用できると判断する品目は禁輸措置を取れるようにした制度だ。キャッチオール規制に基づき、人工衛星開発に対応した対北朝鮮輸出規制の品目リストを作成したのは韓国が初めて。
韓国は北朝鮮の衛星開発について、大量破壊兵器(WMD)の開発が目的だと判断している。
北朝鮮は2021年1月の党大会で「国防力発展5カ年計画」の中心課題として軍事偵察衛星の開発を掲げ、今年4月までに衛星1号機の準備を終えると発表している。韓国政府は「北の軍事偵察衛星の準備が完了する前に、先手を打って国際社会と緊密に連携し、衛星開発への対応の実効性を高める努力を続けていく」と強調した。
一方、韓国政府は核・ミサイル開発と制裁回避に関与したとして、4個人と6機関を独自制裁対象に新たに指定した。個人は李永吉(リ・ヨンギル)党中央軍事委員会副委員長や金秀吉(キム・スギル)元軍総政治局長、朝鮮労働党軍需工業部と関連があるIT企業・寧辺シルバースターの最高経営責任者(CEO)で北朝鮮のIT人材の海外派遣による外貨稼ぎに関わったチョン・ソンファ氏ら。また、住民の強制労働などを通じ、大量破壊兵器の開発資金の調達に関わったとして、北朝鮮の最上級の検察機関である中央検察所などを制裁対象に指定した。
韓国政府が北朝鮮に対する独自制裁措置を発表するのは今年2月20日以来、約1カ月ぶりとなる。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後は5回目だ。
今回、制裁対象に指定された個人と機関はすでに米国の独自制裁の対象となっている。
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