検察捜査権縮小の法改正で審議・表決権侵害 無効確認は棄却=韓国憲法裁
【ソウル聯合ニュース】韓国憲法裁判所は23日、昨年の文在寅(ムン・ジェイン)前政権の任期切れ直前、検察の捜査範囲を大幅に縮小する法律(改正検察庁法、改正刑事訴訟法)が国会議席の過半数を占める当時の与党「共に民主党」の主導で成立したことを巡り、法改正を強行する過程で現与党「国民の力」議員の審議・表決権が侵害されたとする判断を示した。
憲法裁は、国民の力の2議員が国会法制司法委員会の委員長を相手に起こした権限争議審判請求を裁判官5人の意見により認容する決定を出した。
権限争議審判は、国家機関の間で権限の有無やその範囲を巡り争いが生じた場合に憲法裁が判断を下すもの。裁判官9人のうち5人以上の賛成で認容、棄却、却下の決定を出せる。
国民の力は、法改正の過程で共に民主党所属議員が「偽装離党」した後、法制司法委員長が同委員会の案件調整委員会を無力化する狙いで同議員を野党側の調整委員に選任するなど、立法手続きに問題があったとして改正法の無効を訴えていた。
憲法裁は、法制司法委員長は同議員の偽装離党を知りながらも調整委員に選任し、法制司法委の全体会議でも討論の機会を提供しなかったと指摘。委員長が「国会法と憲法上の多数決の原則に違反した」との判断を示した。
一方、国民の力が改正法を可決・宣布した国会議長を相手取り起こした権限争議については裁判官5人の意見により棄却した。
多数意見は「請求人らはいずれも本会議に出席して法案の審議・表決に参加する権利を保障されており、実際に加わった。国会議長の可決・宣布行為が請求人の法案審議・表決権を侵害したとは見なしがたい」というものだった。
憲法裁は、法制司法委員長の可決・宣布行為に対する無効確認請求も裁判官5人の意見により棄却した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の発足直前に成立し、公布された両改正法は、検察が直接捜査を開始できる犯罪の範囲をそれまでの6大犯罪から大幅に縮小し、腐敗(汚職)と経済事件に限ることを柱とする。
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