Go to Contents Go to Navigation

韓国専門家「望んで日本兵になったと誤解招く恐れも」 教科書検定に懸念

記事一覧 2023.03.28 20:51

【ソウル聯合ニュース】日本政府が戦時中の朝鮮半島出身者の徴兵関連記述の強制性を薄め、独島の領有権主張を強化した小学校教科書の検定結果を公表したことを巡り、韓国の専門家らは歪んだ歴史認識を助長する恐れがあるとの懸念を表明した。

今年検定に合格した小学校の教科書(下)=(聯合ニュース)

今年検定に合格した小学校の教科書(下)=(聯合ニュース)

 韓国政府系シンクタンク、東北アジア歴史財団のチョ・ユンス教科書研究センター長は28日、聯合ニュースの取材に対し、検定に合格した教科書で「志願して兵士になった朝鮮の若者たち」という表現などが使われたことについて、「(戦場に送る)制度を実施したこと自体が圧力だ」とし、「望んで日本の軍人になったという誤解を招きかねない」と指摘した。

 チョ氏は「形式上、志願兵として送ったとしても、当局が様々な方式で当事者に圧力をかけたため事実上選択の余地がなく日本兵になった人たちがいる」と指摘した。

 また別の教科書で「日本軍の兵士として徴兵し戦場に送ったりした」という記述から「徴兵し」の部分が削除されたことについては、「(当時の日本は)朝鮮人を志願兵として戦場に送り、後に徴兵を実施したが、教科書で意図的に徴兵を除いて志願を強調すれば、バランスの取れた記述とはみなし難い」との見解を示した。

 「独島が日本固有の領土で、韓国が不法占拠をしている」という内容の記述については、2020年度に小学校の新学習指導要領が導入されてから続いていると説明した。

 チョ氏は「このような教科書で学んだ未来の世代は韓国に対する偏見と誤った認識を持つことになり、心配だ」とし、両国間に明るい未来をもたらすことも難しくなるとの見解を示した。

 アジア平和と歴史研究所のイ・シンチョル所長は「志願兵がいたのは事実だが、まるで自ら望んで行ったかのように強調するのは植民地支配されていた状況に対する理解を排除したもの」と指摘した。

 また今年検定に合格した教科書は全般的に改悪されたとし「(韓国政府が)過去は忘れて交流しようというメッセージを投げかけるのは受け入れ難い」と苦言を呈した。

 東北アジア歴史財団は日本の小学校教科書の検定結果を分析し対応策を模索する専門家セミナーを29日午前に同財団で開催する。

yugiri@yna.co.kr

注目キーワード
スクラップの多い記事
more
more
ホーム ページのトップへ
情報をお寄せください
聯合ニュース日本語版では、イベントの開催告知、取材案内、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報をお待ちしております。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。
お問い合わせ
聯合ニュース日本語版に関する記事やコンテンツ使用などについてのお問い合わせは( japanese@yna.co.kr )へ。 イベントなどの開催告知、取材要請、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報も同メールアドレスで受け付けています。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。