帰国した元軍機関トップ拘束 朴政権時の「戒厳令文書」事件=韓国検察
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2023.03.29 10:49
【仁川聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権下で軍の防諜部隊「国軍機務司令部」(現・国軍防諜司令部)が権限を越えて戒厳令布告を検討する文書を作成していた問題で、当時、機務司令官を務めた趙顕千(チョ・ヒョンチョン)氏が29日、逃亡先の米国から帰国した直後に仁川国際空港で検察に身柄を拘束された。
趙氏は2017年2月に戒厳令の文書作成のタスクフォースを立ち上げ、戒厳令を検討する文書の作成を指示するとともに、これを韓民求(ハン・ミング)国防部長官(当時)に報告した疑いが持たれている。同文書には、朴槿恵氏の退陣を求める大規模な市民集会を武力で鎮圧するための違法な戒厳令計画が盛り込まれていた。
趙氏は17年12月に米国へ出国。裁判所は18年9月に趙氏の拘束を認める令状を発付していた。
5年3カ月ぶりに帰国した趙氏はこの日、拘束された状態で報道陣の前に現れ、自らの容疑を否認した。同氏は「戒厳文書作成の責任者として文書の実体的な真実を明らかにし、責任を取ることがあれば責任を取るために帰国した」とし、「検察の捜査で文書の本質が究明され、国民の疑惑が解消するよう期待している」と語った。
5年以上も帰国しなかった理由については「逃走したのではなく、帰国を延期していた」と述べた。
検察は趙氏の身柄を拘束したものの、同事件を巡る疑惑をはっきり解明できるかは疑問だ。趙氏に内乱を企てた内乱陰謀容疑を適用できるかを巡って争いの余地がある上、文書の作成を隠蔽(いんぺい)する目的で虚偽公文書を作成した疑いも立証が難しいためだ。
検察は、文書作成の理由や逃走の状況などを尋問した上で、趙氏の逮捕状を請求するかどうかを決定する。
tnak51@yna.co.kr
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