米産業政策に「韓国の立場反映を」 韓米通商トップがソウルで会談
【ソウル聯合ニュース】韓国産業通商資源部は30日、安徳根(アン・ドックン)通商交渉本部長と米通商代表部(USTR)のタイ代表がソウルで同日に会談したと発表した。電気自動車(EV)優遇策を盛り込んだインフレ抑制法や半導体の国内生産拡大に巨額の補助金を投じる法など、米国の産業政策を中心に両国間の通商懸案を議論した。
タイ氏は韓米などが共催の「民主主義サミット」に出席するため来韓した。韓米の通商トップが韓国で会談するのは2021年11月以来。
安氏は会談で、米政府が受け付けを開始した半導体生産施設投資に対する補助金の申請に関し、韓国企業に過度な負担とならないよう韓国政府と企業の意見を十分に反映してほしいと要請した。米政府はこのほど、補助金を申請する企業に詳細な資料の提出を求める方針を明らかにした。営業秘密と見なされる情報も対象で、韓国の半導体業界では技術流出に対する懸念が強まっている。
米インフレ抑制法には韓国メーカーのEVに不利とされる要件がある。安氏は昨年9月以降、同法に関する両国の協議チャンネルと高官級対話を通じて緊密な協議を重ね、不確実性を減らす成果があったと評価しながらも、同法のガイダンス運用の際には韓国業界の意見を最大限取り込むよう求めた。
また米通商拡大法232条に基づく鉄鋼製品の扱いに関し、措置の柔軟性向上と鉄鋼部門の炭素低減に向けた持続的な協力を要請した。韓国はトランプ前米政権期に、韓国製鉄鋼の追加関税免除の代わりに輸出量を制限するクオータ制(割当枠)を受け入れた。だがバイデン政権がクオータ制でない欧州連合(EU)、日本との間で無関税枠を設けたことから、韓国は米国に再交渉を求めている。
タイ氏はこの日、インフレ抑制法と半導体法を含む主な懸案について韓国側と緊密に協力するという原則的な姿勢を示したとされる。
会談では、米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」での成果を目指した取り組みや、世界貿易機関(WTO)改革に向けた協力なども申し合わせた。韓米同盟70周年にあたって未来志向の協力成果を導き出すため、緊密な意思疎通を継続することでも一致した。
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