韓国首相「独自検査できるよう日本と協議中」　汚染水放出巡り

【ソウル聯合ニュース】韓国の韓悳洙（ハン・ドクス）首相は３日の国会質疑で、福島第１原発の処理済み汚染水の海洋放出について、国際原子力機関（ＩＡＥＡ）が進める汚染水の検証にも韓国が参加しているとした述べたうえで、「必要ならば別途に、（韓国政府が）独自検査できるよう日本と協議している」と明らかにした。

　尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が先月１７日に東京で菅義偉前首相らと面会した際、福島原発の処理済み汚染水の海洋放出に関し「時間がかかっても韓国国民の理解を求めていく」と表明したとする日本メディアの報道を巡り、野党議員から質問を受け答弁した。

　同報道などを受けて韓国内で福島県産水産物などの輸入再開への懸念が強まると、大統領室は３０日に「福島産水産物が国内に入ることは決してない」と表明。報道内容についても事実ではないとの立場を示した。

　野党議員は質疑で、報道が事実でないなら政府が強く対応するべきと指摘。韓氏は「いちいち報道を追いながら（対応）措置を取るのは、政策の明確な執行よりも優先順位が低い」と述べた。

　ただ、「報道に対しては外交チャンネルを通じて韓国の立場を明確に伝えている」とし、報道したメディアに遺憾の意を伝えたことを示唆した。

　また「（福島産）水産物も輸入する政策が現在なく、汚染水問題についても十分に韓国が国際機関の調査に参加しており、必要ならば韓国が独自に検査できるよう日本政府と協議しているため、そのような措置がより重要だ」と重ねて強調した。

　尹政権が発表した徴用賠償問題の解決策と先の韓日首脳会談については「大統領も政府も何もしないのが最も楽だ」と話し、尹大統領の「決断」だった点を強調。岸田文雄首相については、「韓日関係が未来に向かって進まなければならないという大きな原則にそれなりに呼応したと思う」と評価した。

　尹政権が韓日首脳会談の成果として挙げる相手国の輸出管理優遇対象国への復帰を巡り、韓国政府が日本側の要求を受け入れたものではないかと指摘されると韓氏は「自由であるべき貿易を書類や印鑑で制限するのは正常な状況ではない」と語気を強めた。

yugiri@yna.co.kr