韓国フリージャズのレジェンド・崔善培 4年ぶり日本公演終える
【ソウル聯合ニュース】「トランペットは人生の全て」――。韓国フリージャズ創始者の一人である80歳のトランペット奏者、 崔善培(チェ・ソンベ)は東京、大阪、福岡など日本11都市を回るコンサートツアーを先月に終えた。このほどソウル市内のカフェでインタビューに応じた崔は、いきいきとした目を輝かせながらひょうひょうと質問に答えた。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となった日本ツアーについて、「久々の海外公演なので緊張した。こんなに大変だとは思わなかった」と振り返った。
「日本でも公演が久しぶりに再開されたので雰囲気が以前よりは活性化されていないと感じた。それでもジャズマニア層が多いので(公演の)環境は韓国より良い」と話した。
幼いころから米軍のラジオ放送でジャズに魅了されていた崔は独学でトランペットを始め、兵役の際は海兵隊の軍楽隊で服務。除隊後に軍楽隊の先輩・後輩らと楽団を結成し、在韓米軍第8軍の舞台に立って腕を磨いた。
その後、放送局の専属楽団などで活動。1978年に姜泰煥(カン・テファン、サックス)、金大煥(キム・デファン、パーカッション)とともにトリオを結成し、フリージャズの世界に足を踏み入れた。
K―POPが世界を席巻するはるか前の85年、日本のジャズ評論家の招きで初の海外公演となる日本公演を成功させ、以後毎年、日本で公演を行った。98年には日本でファーストアルバム「Freedom」をリリースした。
「日本に初めて行った時は韓国とのジャズの格差が天と地ほどあった。当時、日本の人たちは韓国にジャズはないと思っていた」と振り返る。「それでも最近は日本との差はずいぶん狭まった」とほほ笑んだ。
現在ソウル市に住む崔は毎日、地下鉄で市内の練習スタジオに通う。1日3~4時間の練習を欠かさず続けている。
フリージャズの楽しみ方を聞くと「理解しようとしてはいけない。風が吹くときにそこに意味付けしたり考えたりしないでしょう。ジャズも感じた通りに考えるのが最も楽しめる」と語った。
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