北朝鮮警備艇が境界線侵犯 警告射撃受け退去=韓国軍「故意の可能性低い」
【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は16日、朝鮮半島西側の黄海の白ニョン島沖で15日午前11時ごろ、北朝鮮の警備艇1隻が南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越えて韓国側に入ったと明らかにした。警備艇は中国漁船を追ってNLLを越えたが、韓国海軍の警告射撃を受けて退去した。
韓国海軍は北朝鮮の警備艇に対し、約10回にわたり警告通信を行ったが、北朝鮮側は反応を示さなかった。韓国海軍は40ミリ機関砲で10発の警告射撃を実施。警告射撃を受け、警備艇はNLLの北朝鮮側に戻った。
北朝鮮警備艇のNLL侵犯は約10分間で、NLLから約2キロ南下した。
警備艇が北朝鮮側に戻った後、北朝鮮側に新たな動きはなかった。
当時のNLL付近の視程(見通しが利く距離)は約90メートルまで低下していたため、中国漁船を追いかけていた北朝鮮の警備艇がNLLを越えたと推定される。
北朝鮮の警備艇が過去にNLLを意図的に侵犯した際は直線で機動したが、今回はジグザグに動いて漁船を追っていた。このため、合同参謀本部の関係者は「(NLL侵犯の)意図性(故意性)は低いとみている」と述べた。
NLLを巡っては昨年3月8日、北朝鮮の船舶がNLLを越えて南下し、警備艇1隻がこの船を追ってNLLの韓国側に入った。警備艇は韓国海軍の高速艇の警告射撃を受けて退去。同年10月24日には北朝鮮の商船が約40分間NLLを侵犯し、韓国海軍が機関銃で約20発の警告射撃を行った。
一方、警備艇が北朝鮮側に戻った後の11時25分ごろ、韓国海軍の高速艇が中国漁船と衝突し、高速艇の乗組員3人が負傷して病院に運ばれた。うち1人は骨折で手術を受けたという。
中国漁船は主にNLLの北朝鮮側で操業している。今回、NLLの韓国側に入った中国漁船は韓国当局の許可を受けておらず、違法操業中だった。合同参謀本部の関係者は「緊急に作戦を遂行する過程で高速艇と中国漁船の接触があった」として、「(双方の船の)安全に異常はない」と説明した。
北朝鮮は7日から軍通信線を通じた韓国との定時連絡に応じず、13日には固体燃料式の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を試射しており、韓国軍の警戒態勢を確認して局地的な挑発を準備しているとの見方もある。
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