福島原発の海洋放出水 「十分安心できる」=韓国放射線専門家
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2023.05.17 15:42
【ソウル聯合ニュース】韓国の国会議員会館で17日、日本による東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出を巡る専門家の討論会が与党議員主催で開かれた。大韓放射線防御学会長を務めた金教允(キム・ギョユン)氏は、放出による影響を科学的に分析した結果、事実上、人体に危険はないレベルだとの見解を示した。
金氏は、多核種除去設備(ALPS)で取り除けない処理済み汚染水に含まれる放射性物質トリチウム(三重水素)について、雨水や海水、大気に含まれており、韓国国内でも全国的にまんべんなく分布していると説明。「福島での海洋放出をシミュレーションした結果、(トリチウムの濃度は)韓国の沿岸到達時に少なくとも『1兆分の1』に希釈される」と主張した。そのうえで「汚染水の放出は、科学的な分析に基づくと安心するのに十分なレベルだ」と強調した。
トリチウムの放射線量は人体にほぼ影響がないことも説明した。また、福島沖での放出から10年後に韓国海域に流れ込むトリチウム濃度は1立方メートル当たり0.001ベクレルで、現在の韓国海域の濃度の10万分の1程度だとする韓国海洋科学技術院と韓国原子力研究院のシミュレーション結果も伝えた。
金氏は「正確かつ具体的な放出情報を公開し、国際原子力機関(IAEA)と合意した放出手順を守ることが重要だ」と述べ、「刺激的で非科学的な『怪談』が広がらないよう、専門家を見分ける目が必要だ」と訴えた。
tnak51@yna.co.kr