韓国最大野党　福島汚染水巡り政府批判強める＝集会や署名活動も

【ソウル聯合ニュース】東京電力福島第１原発の処理済み汚染水の海洋放出に強く反対する韓国の革新系最大野党「共に民主党」は２６日、汚染水の処理プロセスを点検する韓国政府の視察団が日本から帰国するのに合わせ、政府への圧力強化に乗り出した。今後は福島県産水産物の輸入再開を押し切られる可能性を取り上げながら、集会や署名活動などを通じて汚染水放出反対の世論の盛り上げを図る構えだ。

　共に民主党の李在明（イ・ジェミョン）代表は２６日の党最高委員会議で「はなから視察団に検証の意思はなく、ただ（日本のための）付き添い役、矢面に立つとの考えしかなかったようだ」と指摘。日本に免罪符を与える視察団を派遣したことで、放射性物質が含まれる水産物の輸入再開の圧力まで受けることになったと批判し、尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領に向かって「いかなる場合にも福島の農水産物輸入を再開しないと厳命すべきだ」と迫った。

　会議に出席した最高委員からも「（尹大統領は）韓国第１号営業社員を名乗るが、国民の自尊心と歴史、国益と国民の安全を売り飛ばすという意味なのか、売国行為を中断せよ」といった非難の声が上がった。国際海洋法裁判所に提訴すべきだとする意見も出た。

　共に民主党はこの日、ソウル中心部の光化門広場に李代表ら執行部が勢ぞろいして、福島第１原発の汚染水海洋放出と水産物輸入に反対する署名活動の発隊式を開いた。次いで各地域で発隊式を開き、全国的な署名活動を展開する。インターネット上でも署名を集める予定。

　また６月３日に南部・釜山で汚染水海洋放出反対の集会と懇談会を開くなど、各地で集会や討論会などを企画して人々の関心を引きたい考えだ。

　共に民主党は国会としての対応も並行する。汚染水放出に反対すると同時に国会検証特別委員会構成を促す国会決議案の採択、視察団に対する聴聞会の開催などを推進する方針を固めた。国会常任委員会での視察団報告書の検証、緊急懸案質疑を行う本会議開催も検討する。

　党内には「福島汚染水投棄阻止総合対策団」を設けた。既存の阻止対策委員会と党事務処も合同で対政府批判の活動を率いる。

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